前回は、住宅会社選びのキーになる、営業マンからの「最初の質問」について説明しました。今回は家の建築で「土地だけ」を先に買うデメリットについて見ていきます。

「どこに土地を買うか」でライフスタイルが決まる!?

人生で最も高額な買い物は、住宅と言われていますが、実は「住宅ローン」という名の金融商品でしょう。

 

ごく一部の人を除いてほとんどの皆さんが住宅ローンを利用される今、20年、30年という長期にわたり、膨大な金利を含め、支払いを続けなければなりません。場合によっては契約された当人だけでなく家族の人生まで左右する買い物とすら言えるでしょう。

 

数千万円という単位は、普通の人間の金銭感覚を麻痺させるに十分な金額です。そのため、そこでの数十万円、場合によっては数百万円ですら、高い金額だとは思えなくなってしまうものです。その結果、ときには必要以上の無理をしてしまうこともあるのです。

 

現在、家を建てるための土地を所有していなければ、土地を探すことはもちろん重要です。それは今後、どこに住むのかということを意味するわけですから、もしかしたら「家」という建物以上にライフスタイルやライフプランを左右する問題かもしれません。ですから土地選びは慎重のうえにも慎重であるべきでしょう。

 

土地を探すためには、不動産会社か土地も同時に扱っている住宅会社をあたるのが一般的です。今住んでいる場所の近くで考えるのであれば、新聞折込みなどのチラシが有力な手がかりになるでしょう。あるいは、住んでみたい地域の不動産会社を訪ねるというケースが多いと思います。

 

ここでは、あえて気をつけたいケースについて紹介しておきます。

契約は「土地+建物」の総額が詳細になってから

「この土地ならご希望の広さの建物が十分建ちますよ」という営業マンの話から、その土地の購入契約をし、その後ハウスメーカーや工務店をあたったところ、予算の残金では希望の建物を建てることが出来ず、高額な手数料などを二度払いして土地をもう一度売りに出すというケースも実際に聞きます。また、家づくりに費やすべき十分な資金が残っておらず、限られた資金でイメージとはほど遠い家づくりをするしかなくなり、悔やんでいるというケースも少なくありません。

 

これは、その土地に建物を建てた場合の「土地+建物」の総額の費用がきちんと揃う前に、土地だけで契約をした場合に起こることです。土地の契約を先行する場合でも、契約は土地+建物の総額が明らかになってから行うのが賢明と言えます。

 

土地+建物の総額がある程度明確になる前に、とにかく契約を急がせる住宅会社があるとしたら、それはあまり好ましくない住宅会社だと感じます。

本連載は、2017年4月12日刊行の書籍『改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

貞松 信人

幻冬舎メディアコンサルティング

人生を左右するほどの大きな買い物である「家づくり」。「家づくり」は購買経験を積むことが出来ないため、何が正しくて、何を基準にすれば良いかわからない、とても難しい買い物です。 あるアンケート調査では、注文住宅を…

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