チラシの中身はリアルな情報ばかりとは限らない
●新聞折込みチラシ
今でも、坪単価と豪華附帯設備をびっしりとうたった折込みチラシに魅了される人はいると思います。その数は減りましたが、キャッチコピーには「○○○万円で出来る注文住宅!」「坪単価○○万円‼豪華設備付き」等、思わず心をくすぐられる言葉がセンセーショナルに並んでいます。
目をこらしてください。チラシの隅に読めないほどの小さな文字で〝このキャンペーンを適用するのは、当社基準を満たした場合のみに限らせていただきます〞等と書かれている場合があります。肝心の当社基準についての言及はないこともあります。
チラシは非常に具体的に、「今、こうした商品がいくらで売りに出されている」ということを知らしめる場合のほか、たとえば住宅展示場へ足を運んでもらうためのきっかけづくりというケースも少なくなく、その場合は、必ずしもリアルな情報が掲載されているとは限らないのです。チラシの内容すべてを鵜呑みにすることなく、想定と異なる可能性も考慮して臨んでください。
ネット上の情報は便利だが、内容の見極めは慎重に
●企業サイト・口コミ・ブログ・Facebookなど
現在、家づくりにおける情報収集のメインとなっているのは、ネット上の情報です。アポイントを取らない限りは、住所や電話番号、家族構成を先方に知られることはありませんし、オフィシャルな企業サイトだけでなく、ニュースサイトやFacebookページや各種ブログ、その他ソーシャルメディアは情報の宝庫です。企業の取り組みや日常をさまざまな角度からリサーチすることが出来ますし、商品の情報や評判を知ることもできます。
もっとも大手ハウスメーカーの企業サイトなどは、念入りなマーケティング戦略をもとに作成された映像や記事などで構成されています。完成度の高いサイトは企業のイメージアップにとって欠かせません。そうしたコンテンツは施主にとって必要な情報ですが、当然の話、そこにはネガティブ情報はないということは心得ておいてください。先述したように、そこに登場する実名のOBすら、仕組まれた応援団である場合もあるのです。
そのため、情報のバランスを保つためには、各種の口コミサイトや評論サイトなど、第三者の情報も検索し、勉強する必要があります。最近では、さまざまなコミュニティの情報や専門家のアドバイス、第三者的な比較検討ブログなど、多様な情報サイトを見つけることが出来ます。
ただし、いわゆる口コミサイトの内容はさまざま。純粋な感想や印象に交じって、明らかに悪意を持って書き込んだネガティブな投稿も多く見かけます。中には内部のことにも詳しく言及した書き込みもあります。こうしたネガティブな投稿の中には、同業他社の嫌がらせや、現在の労働条件に不満を持つ下請け業者によるものも多いようです。
そのため、そうしたネガティブ投稿を鵜呑みにするのもまた、早計です。ただ、実際に何らかの問題が起こった企業のネガティブ情報は、突然その数がふくれ上がります。そうでなくても、あまりにネガティブな投稿が多い企業はそれなりの問題を抱えているケースが多いので注意が必要です。
その他、サイトからの情報を丹念に拾うことで、さまざまなことがわかってきます。企業評価だけでなく、どういう「家」が自分にとって好ましいかが見えてくることもあるでしょう。
●口コミ
もう一つ、特に地場に密着した住宅会社にとっての生命線がリアルな「口コミ」です。地場に密着して商売をしていれば、必然的に同一地域でOBの人が増えていきます。そこから、自然発生的に口コミが生まれるわけです。ストレートな「紹介」とは限りませんが、来訪のきっかけとなる一言、たとえば「比較する1社として行ってみたら?」という後押しをいただければ、それだけで小規模の会社であれば助かるわけです。
あるいは、「いろいろなところで評判を聞くね」「現場もよく見かける」ということがきっかけとなるかもしれません。いずれにしても、ネットの世界であれ、リアルの世界であれ、いい評判が立ち、いい口コミが生まれることが一番の宣伝です。仕込みではなく、そうした評判が生まれるように日々の活動に磨きをかけることが、特に商圏が小さな規模の小さな住宅会社にとっては生命線と言えるのだろうと思っています。