前回は、住宅会社選びで重要となる「アフターメンテナンス」の仕組みについて取り上げました。今回は、「永い付き合いが出来る」という視点を見ていきます。

引渡し後10年までは「定期点検」が行われるが・・・

ほとんどの住宅会社では、引渡し後1年、2年、5年、10年というタイミングで定期点検を設けています。10年までは、しかるべき連絡がありチェックリストをもとに不具合がないかの確認が行われます。

 

定期点検で見つかったり施主から申し出があった不具合や不備などについては、定期点検を担当したスタッフが対処することになります。住宅会社によっては、たとえ施工の不備が原因となった不具合や故障の場合でも、一度引渡したものなのだから無償修理やサービスはしないという場合もあります。

 

それ以前に、営業マンが担当地区外へ転勤になったり、退社したりといったケースはよくあることです。その結果、「ときどきハガキが来るくらいで現在のわが家の担当者が誰なのかわからない。直してほしいところや相談したいことがあるのだけど、疎遠になってしまったメーカーには連絡しづらくて……」そんな声も聞きます。

他社に修理を頼むと責任の所在がうやむやに

住宅にまつわることなら、たとえどんなに小さな設備についてでも、施工した住宅会社のアフターメンテナンスの対象になります。「建具の収まりが悪かったので、別の会社でリフォームした」「訪問販売でプロパンガスをオール電化に変更するよう勧められた、作業をしてもらって問題ないか?」「太陽光発電を設置したが、屋根の一部に修繕が必要になったのでなんとかしてほしい」等はほんの一例です。

 

こうした場合も、施工した住宅会社が点検とその後のメンテナンス作業を行いますが、注意したいのは10年以内であっても、他人の手が入ってしまった時点で、本来なら負うべき責任の所在がうやむやになってしまうという点です。

 

安易に他の会社に依頼したために保証も責任も負ってもらえない、それでは何のための保証制度とアフターメンテナンスかわからなくなってしまいます。

 

本来であれば、家づくりを任せた住宅会社に連絡をすればいいことです。施主の想いをくみ取り、一緒に家づくりをしてくれた住宅会社であれば、家づくりが終わった後、疎遠になり、連絡しづらい関係になることは少ないのではないでしょうか。だからこそ、永い付き合いが出来る住宅会社を選ぶという視点が、とても重要なのです。

本連載は、2017年4月12日刊行の書籍『改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

改訂版「家づくり」は住宅会社選びで9割決まる

貞松 信人

幻冬舎メディアコンサルティング

人生を左右するほどの大きな買い物である「家づくり」。「家づくり」は購買経験を積むことが出来ないため、何が正しくて、何を基準にすれば良いかわからない、とても難しい買い物です。 あるアンケート調査では、注文住宅を…

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