技術の応用へと議論が進む「ブロックチェーン」
ビットコインの基盤技術として専門家の間では注目されていたが、近年はIT産業や金融機関、政府からの関心が高まるとともに、技術の応用へと議論が移っている。日本でも、メガバンクが共同研究や実証実験の計画を発表したり、日本銀行が勉強会を主催したり、経産省が動向レポートを発表したりと、注目度は高い。
しかし現状は、革命的な技術として名前だけがひとり歩きし、過剰な期待をよせられているという状況でもある。今後は金融以外に、たとえば著作権管理や投票の基盤技術としての利用研究が進むと予想される。
●R3の金融向け分散型台帳「Corda」
世界中の銀行が参加するコンソーシアムのR3では、独自に開発した分散型台帳「Corda」を公開し、オープンソース化した。Cordaは金融向けに設計されており、取引内データへのアクセスが限定されるなど、従来のブロックチェーンと異なる特徴を持つ。
●全国銀行協会が可能性とリスクを検討
一般社団法人全国銀行協会では、「ブロックチェーン技術の活用可能性と課題に関する検討会」を設置。技術の可能性を探るとともに、実業務での活用に向けて技術面、ビジネス面、法制度面での課題を考察し、業界や官民連携の提言を行うと発表した。
特定のサービス優遇が懸念される「ゼロレーティング」
総務省によるSIMロック解除義務化による後押しもあり、MVNOによるSIMカードサービス市場が急速に拡大している。通信業界以外の企業も次々と参入するなか、ゼロレーティングを売りにするサービスも登場している。
しかし、特定のサービスやコンテンツの利用を優遇したり、通信データの中身を検査したりするゼロレーティングに対し、ネットワーク中立性に反するのではないかとの議論も起こっている。LINEモバイルでは、ユーザーから個別に同意を得ることで、この問題を回避しようとしているが、議論は続きそうだ。
●LINEモバイルがサービス開始
LINEは、スマホのさらなる普及をめざし、子会社であるLINEモバイルをとおしてMVNO事業へ参入。LINEや主要SNSであるTwitterやFacebook、インスタグラムの利用データは従量制課金の対象外とするカウントフリープランを打ち出した。
●国内のおもなゼロレーティングサービス
LINEモバイルの登場でにわかに注目されたゼロレーティングサービスだが、国内でも以前からサービスは存在している。激しい低価格化競争が続くSIMカード市場において、ゼロレーティングは新たな差別化要因として、今後さらに増えることが予想される。