今回は、ブロックチェーン、仮想通貨に関する「学術研究」の動きを見ていきましょう。※本連載は、ドローン・ジャパン株式会社取締役会長の春原久徳氏、近畿大学教授の山崎重一郎氏が著書として名を連ねる『インターネット白書2017 IoTが生み出す新たなリアル市場』(インプレスR&D)の中から一部を抜粋し、AI、ブロックチェーン、VR、コネクテッドカーやドローンなどのキーワードをもとに、最新テクノロジーの現在を解説します。

2016年には、本格的な国際会議が多数開催

著:近畿大学/山崎 重一郎

 

ブロックチェーンや仮想通貨に関する学術研究は、2013年ごろから行われてきたが、2016年には本格的な国際会議が多数開催されるようになった。

 

2016年2月にカリブ海のバルバドスで開催された20年の歴史を持つ金融暗号の国際学会Financial Cryptography and Data Securityでは、Bitcoinのワークショップが開催され、スタンフォード大やロンドン大学などが研究成果を発表した。また2016年6月には、IACR(国際暗号研究学会)のBitcoinの国際ワークショップがギリシャのコルフ島で開催された。

 

これら以外にも数多くの国際的な学術シンポジウムやワークショップが開催されている。

世界各国で法整備が進む「仮想通貨」

2015年6月に開催された主要国首脳会議(エルマウ・サミット)の宣言に、仮想通貨の管理が盛り込まれた。

 

これを受けて金融活動作業部会(FATF)から、仮想通貨によるテロリストへの資金供与や、組織犯罪、野生動植物の違法取引の防止を目的に、仮想通貨と法定通貨の交換所の登録・免許制、顧客の本人確認や、怪しい取引履歴の届け出、保存義務などを内容とする報告書が公表された。

 

以前よりアメリカやEUにおける金融当局の国際的規制として、金融機関におけるマネーロンダリングによる犯罪収益移転を防止するために、「ノウ・ユア・カスタマールール(KYC)」が定められていた。これと同様のルールが、主要国の仮想通貨の交換所にも適用されることになった。

 

わが国でも、2016年5月の伊勢志摩サミットの直前に、「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」が成立した。これらの法整備により仮想通貨を適正に、そして自由に利用するための国際的な環境が一応は整備されてきたといえる。

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