農業、警備・・・幅広い業界で定着しつつある「IoT」
言葉だけが先に注目された感のあるIoTだが、具体的なソリューションが登場するにしたがって、幅広い業界で定着しつつある。たとえば農業分野では、農作物や家畜の生育環境をセンサーによってデータ化・見える化し、生産性向上や自動化を実現している。ほかにも、白物家電や建築内装、工場管理、安全警備のIoT化など、次々と事例が生まれている。
IoT化は異業種間のコラボレーションを促進し、単なるアナログからデジタルへの置き換えにとどまらない、ヒトやモノに関する新しいサービスやビジネスを生み出すきっかけとなる。
●農業IoTソリューション「e-kakashi」
PSソリューションズの「e-kakashi」は、農場に設置することで生育環境データのリアルタイム収集、確認、分析ができる。ゲートウェイ(親機)とノード(子機)、iPad用アプリで構成されており、簡単に農業IoTを実践できる。
●従来のライトMVNOとフルMVNOの違い
MVNO、MVNE事業者のIIJは、2017年度下期にフルMVNOデータ通信サービスを提供する予定。自社でのSIMカード発行やHLR/HSS管理が可能になることで、LTE網を使ったIoT向けの通信サービスの企画や開発もやりやすくなる。
低価格・省電力・長距離通信を実現する「LPWA」
2017年は、日本でも「低価格」「省電力」「長距離通信」という3つの要件を満たす次世代無線通信「LPWA」(Low Power Wide Area:省電力型広域無線網)のサービスが始まる。M2M/IoT向け通信技術の本命といわれるLPWAだが、3GPPやIEEE、各コンソーシアムなどで次々と規格が策定され、激しい市場競争が行われている。
現在日本では、セルラー系の「eMTC」「NB-IoT」と非セルラー系の「LoRaWAN」「SIGFOX」「IEEE802.11ah(HaLow)」などへの取り組みが活発化し注目されている。
●LoRaWAN向けの開発スターターキット
スカイデスクが販売するIoTソリューションの開発用スターターキット。センサーと通信デバイス、AIやクラウド、アプリケーションで構成されたプラットフォームで、超低消費電力かつ広範囲通信が可能な通信規格として「LoRaWAN」が採用されている。
●おもなLPWAとLTE(4G)の比較
LTE(4G)では、画像や動画の伝送を重視しているのでチャネル帯域幅は10MHzと太い。しかしLPWAでは、チャネル帯域幅がLTEの1/10~1/10万程度とかなり狭く伝送速度も低いが、1つの基地局で多くのセンサーなどのIoTデバイスが安価に長距離でも接続できるという特徴がある。