最初に複数業者の口座を開設しておくことが望ましい
株式投資やFXは、どの証券会社の口座を開設しても、購入できる株や通貨は基本的に一緒です。その一方、ソーシャルレンディング投資は事業者ごとに取り扱うファンドが異なります。もし、魅力的なファンドを見つけたとしても、その事業者の口座を持っていなければ、口座開設から始めなければなりません。
しかしながら、通常、ソーシャルレンディングの口座開設には5〜7営業日ほどを要します。昨今の傾向を見ると、条件の良いファンドはすぐに募集枠が埋まってしまいます。投資したいファンドを見つけたとしても、そのファンドの募集をする事業者の口座を持っていなければ、手続きが完了する前に募集締切となってしまいます。
つまり、ソーシャルレンディング投資を効率的に行うためには、事前に複数事業者の口座を開設しておくことが望ましいと言えます。とはいえ、口座開設には時間も手間もかかります。できるだけ事業者は厳選して選びたいものです。では、数多ある中からどのように事業者を選んだら良いのでしょうか。
財務健全性と信頼度を指標として事業者を選ぶ
ソーシャルレンディング投資を行うのであれば、まずは「事業者リスク」を考慮しなければなりません。どれほど期待利回りが高いファンドであったとしても、結果的に事業者が倒産してしまえば、利益はおろか、投資元本さえ毀損してしまう可能性があります。
また、事業者が悪意を持って詐欺的行為を働く可能性もゼロとは言い切れません。そのため、事業者を選ぶ際には、財務健全性と信頼度を指標として判断をしていきます。
事業者の財務健全性や信頼度は、ファンド利回りや期間、テーマなどで測ることはできません。より客観的な情報が必要になります。具体的には、以下のような情報を参考とするのが良いでしょう。
●運営事業者の資本金
●運営事業者の社歴
●累積の募集額、償還額
●財務諸表(※公開されていない場合も多い)
●運営事業者の株主構成
●提携先や取引先
上記項目は、どれかひとつだけで可否を判断するべきものではありません。例えば、財務諸表は財務健全性を証明する強力な判断材料となりますが、それだけでは投資できる企業が限定的になってしまいます。
ソーシャルレンディング事業者は、設立から日の浅いベンチャー企業が多く、直近では赤字の企業が大半だからです。たとえ現時点で赤字であっても、大手の金融機関やベンチャーキャピタルから出資を受けており、キャッシュが潤沢にある場合や大企業や自治体と提携し急激に運用額を増やしている企業もあります。ひとつの項目だけで判断するのではなく、各要素を複合的に分析し事業者の選定をしていくことをおすすめします。
経営者の事業に対する思いや人間性も判断材料のひとつ
事業者によっては、WEBメディアや雑誌などを通じて、代表者がインタビューに答えていることもあります。経歴や実績はもちろん、事業に対する思いや人間性なども垣間見ることができます。
社長自らがセミナーに登壇し、投資家の疑問や要望に応えてくれる事業者もいます。パソコン画面や紙面を通してだけでは伝わらない、人となりや雰囲気を対話の中で感じとることができます。実際に、セミナーを通じて信頼感を深め、新規口座開設や増額の判断に至る人は多数いるようです。
もちろん、社長がインタビューに答えていることやセミナーに顔を出していることが、直接的に事業者の安全性を保証することにはなりません。しかし、運営者が全く表に出ない事業者に比べれば、その積極的な情報開示の姿勢は評価に値するでしょう。
クラウドポートでは各事業者の社長や事業責任者へのインタビューを随時行なっております。こちらも参考としてご確認ください。
【クラウドポートが行なった事業者インタビュー一覧(あいうえお順)】
★オーナーズブック 岩野社長
https://www.crowdport.jp/news/1190/
★ラッキーバンク 田中社長
https://www.crowdport.jp/news/1252/
★クラウドリアルティ 鬼頭社長
https://www.crowdport.jp/news/1367/
<Point>
●ソーシャルレンディングの第一歩は事業者選びから
●実際に投資を始めるまでには5営業日ほどを要する
●財務健全性や信頼度は、会社の実績や財務諸表などの客観的情報を判断材料とする
●セミナーやインタビュー記事も、経営者の人間性や情報開示の姿勢を推し量るのに有効