常に心がける「事業者」「借り手」の分散
急成長の反面、世の中に広く知られているとはまだ言えないソーシャルレンディング。高利回りを理由に、「怪しい」という印象を持たれることも少なくありません。では実際に、ソーシャルレンディング投資を行なっているのはどのような方なのでしょうか。今回は、ソーシャルレンディング投資家として知られる2人のブロガーを参考に見てみましょう。
<ソーシャルレンディング投資家:けにごろう氏>
けにごろう氏は都内在住のIT企業にて勤務するサラリーマン。ソーシャルレンディング投資は2010年から行なっており、自身が運営するブログ「けにごろうのはじめてのソーシャルレンディング日記」では、投資実績から各社のセミナーやインタビュー情報まで幅広く記事を掲載しています。
同氏が投資をはじめたのは2007年。はじめは株式やFXなど、値動きの激しい金融商品に投資をしていました。しかし、2008年のサブプライムショックにより資産の半分ほどを失ってしまった結果、少しずつ利益を増やせるインカムゲイン型の投資方法を探しはじめました。そんな時、ある記事で偶然見かけたソーシャルレンディングに興味を持ち、投資を始めました。
はじめは様子を見ながら投資していたものの、だんだんと運用資金を増やしていき、2016年には1200万円の運用額になりました。
運用額の増加と共に利益も増加し、2011年の利益は11万円でしたが、2016年には90万円以上の利益を得ています。6年間の投資を通した平均利回りは7.3%である一方、貸し倒れによる損失額は合計で5000円以下と、ソーシャルレンディングの高い保全性をうかがうことができます。
もちろん利益を積み上げていくには工夫も必要です。けにごろう氏は「事業者」及び「借り手(融資先)」を分散することを常に心がけていると述べています。※1
※1 https://www.crowdport.jp/news/1238/
資金の増額は、投資ノウハウや判断基準を理解してから
<ソーシャルレンディング投資家:ファイアフェレット氏>
次に紹介するのは業界関係者も注目のブログ「ソーシャルレンディング赤裸々日記」を運営するサラリーマン投資家、ファイアフェレット氏。
2011年から投資をはじめたファイアフェレット氏も、FXや株式投資などのキャピタルゲイン型投資で損失を被った投資家です。同氏も偶然ソーシャルレンディングを知り、安定的にインカムゲインが得られることを期待して投資をはじめました。
もちろん初年度からソーシャルレンディングに前のめりだったわけではありません。初年度(2011年)の293万円から少しずつ運用金額を増やしていき、2016年時点での投資額は2107万円にまで達しています。
運用金額を増やしてきた理由についてファイアフェレット氏は、以下のように語っています。
「私はこの5年間ソーシャルレンディング投資において1円も損すること無く、順調に配当をうけることができています。そのことよってソーシャルレンディングという投資スタイル、また運営会社への信頼を高めていった経緯があるからなのです」※2
※2 https://www.crowdport.jp/news/906/
このように、投資ノウハウや事業者・ファンドの判断基準を理解してから徐々に運用額を積み上げていくソーシャルレンディング投資家も多いのです。
元本毀損のリスクも考え、余剰資金の範囲で投資
ファイアフェレット氏は自身のブログ等を通じて、余剰資金の範囲で投資するよう強く訴えています。ソーシャルレンディングはデフォルト等によって元本を毀損するリスクもありますし、延滞も起こります。また、原則、途中解約もできません。万一のことがあった場合に、生活基盤に傷がつくような運用はすべきではないと述べています。
ソーシャルレンディング投資をこれから行おうと考えている方も、先人に習い、余裕資金の範囲でリスク管理を行いつつ分散投資を心がけましょう。
次回は、ファンドのリスクを見極められるよう、ソーシャルレンディングにおけるファンドの種類や仕組みについて、事業者の特徴と共に見ていきます。
<POINT>
●ソーシャルレンディング投資家にはサラリーマンも多い
●安定的な投資実績
●余裕資金の範囲で投資することが重要