相続税の申告に不備や漏れなどがあると…
相続税の申告は相続開始の日から10カ月以内と決まっている。この間に申告書を提出し、相続税を納税しなければならない。
10カ月は長いようで意外に短く、もし申告に不備や漏れがあると、税務調査を受けることになる。今回は、あまり知られていない税務調査の流れを紹介する。
税務調査のほとんどは「任意調査」
相続税や所得税、法人税などの「国税」に関して、日本は納税者が自分で税額を計算し、申告する「申告納税制度」を採用している。その申告に誤りがあったり、漏れがあったりした場合、税務署は申告の中身を調査することができる。調査の多くは納税者の同意を得て行われる任意調査だ。
相続税の税務調査では、提出された申告書の内容と、亡くなった人が生前に提出した確定申告書などの資料をもとに、税務署が調査の必要性を判断する。調査が決まったら、申告に携わった税理士に連絡して日程を調整する。調査は申告後半年から1年後の秋口になることが多いと言われている。
調査官が被相続人(亡くなった人)の自宅を訪ね、税理士と相続人(家族)が同席して調査を進めるのが原則。午前10時ごろやってきて、名刺を交換し、時候のあいさつをしたあと、被相続人の経歴、仕事内容、趣味、家族構成、子供・孫の職業などを確認する。そして実地調査に入る。ここからが本番だ。