学生をターゲットにすると収益性が低くなる!?
詳しくは書籍『誰も知らない京都不動産投資の魅力』をご覧いただければと思いますが、京都不動産には様々な投資メリットや京都ならではの特殊性が存在します。
しかし、実際に「いざ購入」となった場合、どのような物件を買えばいいのか――。書籍でご紹介した話を踏まえ「①ターゲットタイプ(学生・社会人・ファミリーなど)」「②立地」「③物件タイプ(区分・一棟/中古・新築など)」の3つの項目について説明します。
京都市の賃貸需要の中心は学生です。日本一学生が多い街であるが故に、新たに供給されるマンションも必然的に学生向けが中心になっています。そこで「ならば、学生をターゲットにした賃貸物件を探すのがいいのでは?」と考えるのは当然の成り行きですし、事実、市内を見渡せば学生向けの賃貸物件が目につきます。
しかし、私はここで敢えて学生ではなく「社会人」をメインターゲットにするべきだと断言します。なぜなら、学生をメインターゲットにした家賃相場では、収益の低い投資になってしまうからです。
学生向け賃貸物件が供給不足にあるという話を聞けば、「そんなに供給戸数が少なくて物件に希少価値があるのなら、もっと家賃を高くしてもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、京都の賃貸市場は学生を基準に回っており、この学生の家賃は保護者からの仕送りで支払われていることが多いため、「相場」を超えた高い家賃では入居がつかないのです。ですから、学生向けの賃貸マンションを運営するなら、家賃は親の仕送りの上限を意識したものに設定する必要があります。
社会人相手なら社宅としての需要もある
一方、学生に続き需要の多い社会人単身者はどうでしょうか。むしろ相当数の大企業があるので、ハイグレードなマンションに住む会社員のニーズは少なくありません。
そして、実は京都にはこの層を狙った物件はまだ多くないため、そこを狙ってハイグレードなマンションを建てれば、まずこうした人たちの入居が見込めます。家賃相場も、当然、学生向けより数万円高く設定できるため収益性が上がります。
通常、新築物件の情報を公開した場合、最初に問い合わせてくるのは企業です。社宅としての需要があるためです。大手企業の新入社員用として20部屋を借りたいというケースや、病院から看護師用に10部屋借りたいというケースもありました。早いところでは完成と同時に全室が社宅や社会人で決まってしまう物件もあります。
京都は確かに学生数も多いですが、不動産投資のターゲットとして考えたときには、むしろ社会人単身者が狙い目といえます。