資産の成長を目的とした「育てる投資」の概要

長期投資の極意とは「リスクを取っただけ、リターンを得られるか」を実現することです。本連載では、長期保有で着実にリターンを得る「育てる投資」について解説します。

5年以上使う予定のない余裕資金を振り分け

書籍『211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』で分類した①欲張らない投資、②ちょっと欲張った投資、③育てる投資、④スパイス的な投資のうち、本連載では③の「育てる投資」について詳しく見ていきましょう。

 

「育てる投資」とは、資産を減らさないことを第一に考えた「欲張らない投資」とは異なり、資産を成長させることを目的とした投資です。結論を先に言えば、世界分散型の株式ファンドか、株式の組み入れが多めのバランスファンドへの投資が該当します。

 

投資信託を売買で利ざやを稼ぐ商品として見る人もいますが、この「育てる投資」のための投資信託は、タイミングを計って売買するのではなく、長く保有できるように設計された投資信託を「2経済サイクル」(10年程度)以上は持ち続けるようなイメージです。

 

 

当然、投資する資金も少なくとも5年以上は使う予定のない余裕資金を振り分けます。投資家の投資スタンスにもよりますが、育てる投資への配分比率は投資する期間によって異なります。

 

仮に80歳まで運用を行う前提で資産運用計画を立案する場合、30歳であれば運用期間が50年になるので相当リスクが取れます。

 

現金 (2年以内に出費が予定されている資金)

欲張らない投資 (5年以内に出費が予定されている資金)

ちょっと欲張った投資 (5年から9年投資できる資金)

育てる投資 (残りの60~70%)

スパイス的投資 (残りの30~40%)

 

と個人的には配分するでしょう。

 

50歳であれば運用期間が30年になるので

 

現金 (2年以内に出費が予定されている資金)

欲張らない投資 (5年以内に出費が予定されている資金)

ちょっと欲張った投資 (5年から9年投資できる資金)

育てる投資 (残りの80~90%)

スパイス的投資 (残りの10~20%)

 

60歳であれば運用期間が20年になるので

 

現金 (2年以内に出費が予定されている資金)

欲張らない投資 (5年以内に出費が予定されている資金)

ちょっと欲張った投資 (5年から9年投資できる資金)

育てる投資 (残りの90~95%)

スパイス的投資 (残りの5~10%)

 

と配分するでしょう。

将来必要な資金を確保し、残りを「育てる投資」へ

育てる投資とスパイス的投資の配分比率は投資環境によって変わると思いますが、出費が予定されている資金をまず確保して、現金と欲張らない投資への配分比率を決定した後、5年から9年投資できる資金でちょっと欲張った投資へ配分、残りを育てる投資とスパイス的投資へ振り分けることが重要です。

 

ここで、「5年から9年投資できる資金って思い浮かばない」という方がいらっしゃるかも知れませんが、実は結構あるものです。

 

 

例えば現在10歳のお子さんがいらっしゃる方で将来その子を大学へ行かせる予定であるならば、6~7年後の高校2年生(16~17歳)くらいから受験に関わるまとまった資金が必要になってきます。あるいは現在65歳の方は健康寿命(日常生活に制限のない人生の期間)が男性で71.19年、女性で74.21年(平成25年時点、内閣府調べ)ですので6年から9年後には何かしらの大きな病気の可能性に備えた資金計画を立てる必要があると思います。

 

[図表]「育てる投資」概念図

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社 代表取締役社長

1964年、東京都に生まれる。
学習院大学法学部を卒業後、山一證券、山之内製薬(現・アステラス製薬)での勤務を経て、 2000年にピクテ投信投資顧問株式会社に入社し、2011年に代表取締役社長に就任。
いかなる経済危機に直面しても長期的な資産保全を可能にする「負けない運用」を信念とし、ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド、ピクテ・インカム・コレクション・ファンド、ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド、ユーロ・セレクト・インカムなどを開発。積極的にセミナーも開催。

著者紹介

連載長期保有で着実にリターンを得る「育てる投資」の実践法

本連載は、2016年10月31日刊行の書籍『211年の歴史が生んだピクテ式投資セオリー』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

211年の歴史が生んだ ピクテ式投資セオリー

211年の歴史が生んだ ピクテ式投資セオリー

萩野 琢英

幻冬舎メディアコンサルティング

インフレ経済に転換しつつある今、預貯金では資産を守れない──「投資マインドが低い」「元本保証の預貯金で資産価値を守る」傾向にあった日本人も、今こそ投資によって賢く資産を運用しなければなりません。 本書では、あ…

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