前回は、クリニックの開業に向く「競合の少ない地域」について解説しました。今回は、クリニック経営に「ホスピタリティ」が不可欠な理由を見ていきます。

患者は「診療の質」より「ホスピタリティ」を重視!?

クリニックがやっていけるかどうかが立地でほぼすべてが決まってしまうというのは、医師にとってはあまり面白くない話でしょう。医師であれば、そのクリニックで提供している診療(サービス)の質で判断してもらいたいと思うのは当然です。

 

しかし、実際のところ、地域のクリニックの医療の質を、患者が判断するのは難しいものです。レストランやラーメン屋であれば、一度行って食べてみれば、美味しいか美味しくないかはすぐにわかりますが、クリニックの場合は、一度診療を受けただけでは、それがよかったかどうか、わからないからです。

 

もちろん、クリニックの玄関を通ってから、受付で手続きをして、呼ばれて診察室に入ってから医師の診察を受けて、再び受付で精算をして出て行くまでの体験を、他のクリニックと比較してよかったかそうでないかを“感じる”ことはできます。

 

しかし、治療の内容が正当であったかどうか、その医師の腕がよいかどうかは、素人にはなかなかわかりません。それよりも印象に残るのは、親切で丁寧な受け答えをされたかどうか、親身になって優しく扱ってくれたかどうかなのです。ですから、町のクリニックについては、外観や治療の腕前以上に、ホスピタリティが重要になります。

「口コミ」と「紹介」がクリニック選びの参考に

患者は、はじめはクリニックを立地で選び、そこでどのように扱われたかによって、そのクリニックに再び行くかどうかを判断しています。それだけでなく、新しいクリニックの場合は、その評判を口コミで広めようとします。

 

下記図表に示すのは、メディケア生命が1000人の男女に対して2014年に行った調査から抜粋したものです。

 

[図表]病院を選ぶ際 患者が参考にする情報

 

病院を選ぶ際にどんな情報を参考にしたかという質問に対して、全体の7割が、家族・知人からの評判であると答えています。私自身も、友人や近所の人から「この近くで行くとしたら、どの医者がいいか」と聞かれたことが何度もあります。つまり、クリニックというのは、そのほとんどが口コミによって選ばれているのです。

 

そして、その口コミを発生させるのが、クリニック開業後に試しに来てくれた患者です。私は、クリニックのマーケティングは立地が5割、接遇が4割、そして残りの1割が広告宣伝であると考えています。接遇とは、聞きなれない言葉ですが、簡単にいえばいかに患者によい気分になって帰ってもらうかです。といっても、患者に媚びへつらって機嫌を取れという意味ではありません。「病は気から」という言葉もあるように、医療においてプラシーボ効果は無視できない要因になります。

 

ですから、特に地域のクリニックにおいては、患者に対しての治療の一環として、よい気分になってもらうことは不可欠だという意味です。患者から「あなたに会って話すだけで何となく元気が出る」といわれることが、地域の開業医にとって一番の賛辞となるのです。

本連載は、2017年1月26日刊行の書籍『自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

市川 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医は慢性的な医師不足で時間外の労働が多く、給与も働きに見合わず、過酷な労働環境におかれています。 一方、そうした状況から理想の医療の実現を目標に開業する医師もいますが、都市圏のクリニックは今や乱立状態にあり…

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