営業担当者との会話で「客付けヒント」を聞き出す
前回の続きです。
[図表]大家さんの週間計画
月曜日は「ヒアリング」とあります。これは土日に内見があった場合でかつ申込みが入らなかった場合に、その状況や理由を営業担当者に聞くということです。申込みがあった場合は当然営業担当者から連絡が入りますので、その必要はなくなります。
キーボックスの場合でも業者から内見の連絡をもらう必要があるとは先述しました。ヒアリングはこんな感じでやってみてください。
大家「あ、どうもお世話になります。○○です。先日は内見に行っていただいたようで、ありがとうございました。それでお客さまはどんな感じでしたか?」
営業担当者「はい、すみません。今回はちょっと他の物件で決まってしまいまして・・・」
大家「そうですか。ま、しょうがないですね。またお願いします。ところで、ウチの物件はやはり家賃が高いのでしょうかね。最近の相場はどうでしょうか?」
営業担当者「そうですねー。少し相場が下がってきていることは確かですね。やはりこの駅から少し離れたエリアで物件が空いてきていますので、競争が激しくなってきていることは間違いないです」
大家「そうですか、わかりました。では私のほうでもちょっと検討してみます」
営業担当者によっては口の重い人もいます。大事なことは、この会話によって営業担当者の口から客付けのヒントになるような言葉を引き出すことです。会話のキャッチボールをするイメージです。ですから、ここでは的確な質問をすること、聞き役に徹することです。また、営業担当者からこんな指摘をしてもらうこともあります。
営業担当者「先日の○○号室ですが、キッチンの照明がチカチカしていましたので、電球が切れてきているのだと思います」
これも大切な情報ですね。こういった情報をもらえるのもヒアリングの効果です。
何らかの改善をした場合は各業者に必ず連絡
続いて「検証」です。検証とはヒアリングした情報を確認する作業になります。先の例で相場が下がってきているとありました。これを鵜呑みにするのではなく、実際にそうなのかを確認します。これはインターネットのポータルサイトで同じエリアの物件を検索してみるという方法と、別の業者に電話や訪問で聞いてみるという方法があります。できれば両方やったほうが良いでしょう。また先の例でキッチンの照明がチカチカしているというのがありました。これは実際に現地に行って確認します。
次に「改善」です。改善とは業者にヒアリングして検証し、何らかの改善が必要と感じたものに対してそれを実行することです。先の例では、ヒアリングで業者から近隣相場が下がってきているということを聞き出し、ネットや他業者のリサーチにより検証し、それが事実だという確認をしたものに対して、改善案としてたとえば家賃を2000円下げるとしたなら、それを実行するということになります。キッチンの照明が切れそうだというものに対しては、実際に現地で確認したなら蛍光灯やグローを交換するという作業が「改善」になります。
そしていくら改善しても、それを業者に伝えなければ何の意味もありません。最後の「連絡」とは、その改善したことを各業者に適切に連絡することです。これは先述した一斉メールによる連絡でも良いし、電話でも構いません。キッチン照明の例では、照明を取り替えたということを連絡します。これがないと検証も改善も意味をなさなくなります。
また、業者への連絡のタイミングですが、ヒアリングについては月曜日か火曜日で構いません。ただ大手業者ですと、火曜日・水曜日と連休の場合が多いので月曜日にします。木曜日は業者の休み明けで午前中はミーティングをしていたりしますので、お昼少し前ぐらいか午後に連絡すると良いでしょう。
何らかの改善をした場合はメールなりFAXをした後に、必ず電話連絡をするようにしましょう。きちんと届いていないこともありますし、担当者が見ていないこともあります。土日は内見の勝負日で、アポがある場合は金曜日にお客さまに内見してもらう物件を選んで吟味したりします。ですから、金曜日のお昼から土曜日の朝にかけて募集図面をFAXすることは効果的です。なお、FAXは複数の業者に同時に送れるように同報送信の設定をし、さらに配信時間も設定しておきましょう。