前回は、値引きを強みとする施工会社の信用性について解説しました。今回は、家造りの発注先選びで気をつけたい「長期保証」のカラクリを見ていきます。

「長期保証」を売りにする住宅会社も増えたが…

「○十年保証」を掲げる住宅会社が多くなりました。これは家を建てた後、何十年もの長い間にわたって、住宅の性能を保証したり、定期的に点検やメンテナンスをしてくれるというものです。

 

住宅は何十年も住んでいると、屋根や外壁、基礎や構造材など、あちこちに不具合が出てくるものです。そんなとき、家を建てたら建てっぱなしではなく、長期間にわたってアフターフォローをしてくれるというのは安心です。

保証年数だけでなく、サービスの内容まで細かく確認を

では、この○十年という保証期間が長ければ長いほど、サービスのいい会社なのでしょうか。

 

実はこの保証期間は、家の部位や内容によって5年や10年と異なります。ある部位の保証期間が切れる時期にメンテナンスをしないと、各部位の保証期間は継続しますが、「○十年保証」という大もとの保証は切れてしまうケースがほとんどです。

 

例えば、シロアリの害に対する保証が5年で切れてしまった場合、それ以降の修繕には費用が発生します。その際に施工費の安い他社に依頼すると、ほかの屋根や外壁といった部位の保証は継続していますが、「○十年保証」はその時点で終了してしまいます。無償で「○十年間保証」してくれるということではなく、どのような見積額でもその会社で修繕を行わなければならないための仕組みなのです。

 

どちらにしろ、ある程度の期間が経過したら、点検や修理は有償になるので、保証期間が長いからという理由で、住宅会社を選ぶのはあまり意味がありません。アフターサービスは重要ですが、うたっている期間が長ければいいというものではないのです。保証年数だけでなく、サービスの内容を細かく確認しましょう。

本連載は、2017年2月27日刊行の書籍『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

齋藤 正臣

幻冬舎メディアコンサルティング

人生で一番大きな買い物、「マイホーム」。理想のイメージばかりが先行して、見当違いな設計に後悔したり、不本意な金額を払ったりするハメに陥らないために、まずは住宅オーダーの基本を学びましょう。「よい見積り、悪い見積…

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