前回は、注文住宅の施工棟数が多い会社の評価が一定ではない理由を解説しました。今回は、 家造りの発注先として避けるべき会社を見抜くためのポイントを紹介します。

アフターサービス部門がある会社はクレームが多い!?

24時間、365日、いつでも困ったときには電話口で対応してくれるアフターサービス部門がある会社は安心でしょうか。定期的な点検やメンテナンスといったフォローは確かに便利で魅力的です。何かトラブルが発生した場合にもすぐに相談出来るので心強いかもしれません。しかしこれは、言い換えると専門の部署を設けなければいけないくらい、年間を通じてクレームの件数も多いということにもつながります。大してクレームが寄せられなければ、直接担当した営業マンか現場監督と話をすればいいのです。

 

完全にクレームをゼロにすることはどんな会社でも難しいでしょうが、専門の部署を設けて人を雇う必要があるということは、それだけ多く問題が発生しているという逆説的な証拠かもしれません。

施工に関わる人が多いと、希望が通りづらいことも

会社の規模が大きくなってしまうとどうしても仕事が分業されてしまうので、仕方がないことなのかもしれませんが、例えば営業マンに希望のプランを伝えたとしても、直接施主から話を聞いていない設計部の人間が図面を書いた場合、希望が反映されないものが上がってきてしまうということがよくあります。

 

また、設計図が上がってきた段階で、営業マンが気づくことがあっても、設計部の担当者の方が先輩で、社内の上下関係で営業の立場が弱く、出てきたプランの修正をその場で言えないこともあるようです。その結果、希望が反映されないプランをそのまま施主に提出してしまうことになります。

 

直接打ち合わせをしていないと、なかなか施主の気持ちが伝わらず、親身になって設計する気にならないのかもしれませんが、施主の要望はプランに反映するべきと考えます。一番いいのは、設計する人間と直接打ち合わせができるような会社を選ぶことです。

本連載は、2017年2月27日刊行の書籍『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

齋藤 正臣

幻冬舎メディアコンサルティング

人生で一番大きな買い物、「マイホーム」。理想のイメージばかりが先行して、見当違いな設計に後悔したり、不本意な金額を払ったりするハメに陥らないために、まずは住宅オーダーの基本を学びましょう。「よい見積り、悪い見積…

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