前回は、 家造りの発注先として避けるべき会社を見抜くためのポイントを解説しました。今回は、家造りで「施主のためになる提案ができる会社」の選び方を見ていきます。

「プラスアルファ」の提案をしてくれる業者を…

注文住宅の場合、施主は施工会社になんでも希望を言うことができます。しかし家造りのプロから見ると、安全性や使い勝手の面でどうだろうというプランを施主が望むこともあります。その場合、施工会社はそれはやめた方がいいということをはっきり伝えるべきなのです。

 

基本的には施主のプランを反映するべきだとは思いますが、明らかに使い勝手や安全性が落ちる場合は、そのプランを却下しないと、結果的にはいい家にはならないのです。施主の希望を汲んだ上で、代替案を提示するような会社を選びましょう。また、施主の希望だけでなく、常にプラスαの提案をしてくれるような会社を選びましょう。

 

例えば、経験的に2階の部屋の物音が1階に響くとわかっている場合、きちんとその理由を説明し、見積り上で金額が上がってしまうとしても、遮音性の高い素材を最初から提案するべきなのです。

 

どれだけ事前に勉強していたとしても、家造りが初めての場合、予想もつかないことはたくさんあります。そこを先回りして、施主のためにプランを提案できるような会社を、家造りのパートナーに選びましょう。

「知人に勧められたから」という理由で業者を選ばない

友人や親戚、同僚など身近な人の口コミは信しん憑ぴょう性が高く感じられます。しかし、家造りにおいては、「知人に勧められたから」という理由で業者を選ぶのはちょっと待ってください。

 

実際にその会社で家を建てた人の意見だとしても、たまたまその人とその会社の相性がよく、満足できる家ができたからといって、あなたとその会社が合うとは限りません。また、その知り合いの方とあなたとで、家造りに求めるものが同じとも限りません。

 

確かにいい家を造る会社かもしれませんが、あなたの希望をどのくらい聞いてくれるかは未知数です。家造りはお金が絡むものなので、万が一、紹介してもらった会社に頼んで納得ができなかった場合、信頼関係にひびが入る可能性もあります。友好な関係を維持するためにも、知人のおすすめはあくまでも意見のひとつとして、参考にする程度にしましょう。

 

もちろん検討を重ねた結果、自分にも相性が合う会社ならば依頼しましょう。

本連載は、2017年2月27日刊行の書籍『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

改訂版 いい家は注文住宅で建てる

齋藤 正臣

幻冬舎メディアコンサルティング

人生で一番大きな買い物、「マイホーム」。理想のイメージばかりが先行して、見当違いな設計に後悔したり、不本意な金額を払ったりするハメに陥らないために、まずは住宅オーダーの基本を学びましょう。「よい見積り、悪い見積…

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