囲碁、カラオケ等のサークル活動で交流を深める
シルバー世代のニーズのなかでも、もっとも多いものが入居者同士の交流です。同年代の人たちと友人になるために高齢者住宅への入居を決めたという人も少なくありません。
そのためにグランドマストがバックアップしている活動の一部をご紹介しましょう。
●サークル活動
今までの経験で、入居者同士の交流を活性化させるには、サークル活動が有効だということが分かっています。しかし、施設側が率先してサークルを設立しても、本人たちのやる気がなければ長続きはしないものです。そこでリビングアテンダーは、サークル活動を円滑に運営できるように、あくまで裏方に徹しています。
グランドマストでは、食堂などでの交流から自発的にサークルが結成されています。その種類は囲碁、カラオケ、折り紙、映画鑑賞、グルメ、そば打ちなど多種多様。
リビングアテンダーは、たとえばカラオケ大会のポスターや折り紙教室のテキストを作ったり、参加者募集の窓口となります。また、グルメのように外出をともなう活動であれば、タクシーの手配もします。さらに各参加者の意見がまとまらない場合は、それぞれの意見を聞いてガス抜きも――。
リビングアテンダーは回答を導き出すのが仕事ではありません。あくまで入居者の自立した生活を支援します。
シルバー世代と子育て世代が触れ合う交流会も
●多世代交流会
グランドマストの一部は、同じ建物内にシルバー世帯向け住宅と子育て世帯向け住宅があります。たとえば、ある一定の階より上は子育て支援住宅、といった具合です。
そこで様々な交流会を開催。
●新年会
●豆まき
●焼き芋パーティー
●防災訓練(スタンプラリーなど)
●ジャガイモの苗植え
●掘り会
●マジックショー
●納涼会
●魚つかみ取り
●和太鼓演奏
●栗拾い
●ハロウィーンパーティー
●クリスマス会
●忘年会
季節ごとに子どもとシルバー世代が楽しく交流できる場を提供しています。シルバー世代の皆さんにとっては、お母さんのおなかのなかにいたときから知っている子どもも。かわいくて仕方ないようです。
また、子どもたちも身近でやさしいおじいちゃんやおばあちゃんによくなついています。交流会などによって顔見知りとなったシルバーの方がいると「おじいちゃん! おばあちゃん!」と飛んで行って、膝の上に乗ってくる状態が日常です。
なかには小声で「うるさい、あっち行け」と言っている男性もいます。でも、いつも子どもたちのいる場所ばかりにいる。実は小声でしか言っていなくて、子どもたちは怖がらずに無視して走り回っているのです。彼はこの状況がお気に入りの様子。私は「今日も怒るんですか?」と冷やかし半分に聞くのですが、そんなときは、ただ苦笑いをして子どもたちが遊んでいるのを眺めています。
昔の長屋はこのような風景が当たり前だったんだな、と思います。このような環境ならば親世代だけではできない教育もできるのではないでしょうか。