前回は、銀行が「自営業者」へ融資する際のチェックポイントを説明しました。今回は、不動産投資物件購入の目安となる「自己資金」について見ていきます。

自営業者の場合、自己資金の目安は20%から30%

神山:資産の棚卸ができたら、そのうち、いくらまでのお金を不動産投資に使ってもいいのかを決めておきます。もちろん、生活資金や別に使う予定のあるお金を投資に使ってはいけませんが、基本的に物件価格の10%から15%の自己資金は必要です。

 

皆さんは不安定な職業で、しかも1棟目ということで自己資金はより多く、20%から30%あったほうがよいと思います。

 

ジュン:ということは、逆に今ある自己資金から自分の購入できる物件の価格帯がわかるわけですね。

 

神山:どんな融資が引けるかというのも大きな要素になりますが、一つの目安にはなります。ただし、あまり最初の時点で「〇〇な物件を買う!」と決め付けるのは早計です。可能性を狭めてしまいます。

不動産投資の本の情報を鵜呑みにしない!?

ヨシト:何か本などを読んで勉強をしたほうがいいでしょうか。

 

神山:じつは今、膨大な量の不動産投資の本が発売されています。どれも情報が多く、非常に勉強になります。そういった本を読んで、不動産投資の仕組みや物件の種類といった基本的なことを知っておくのはよいと思いますが、あまりに知識を持ってしまうのも善し悪しです。というのも不動産投資の本は出版されるまでに時間がかかり、場合によっては2年前、3年前の事例が載っている本も多いためです。それをあまり頭に入れ過ぎると、今の市況に合わない場合もあります。

 

今の状況でいえば、数年前に比べて利回りが数パーセント落ちていますが、融資の金利も下がっています。実際には、高利回りでなくてもキャッシュフローは同額であることも多いのですが、本で読んだ情報と全く違えば戸惑ってしまうでしょう。

 

本を読んで勉強するのはいいことですが、書かれている情報が古ければ現状に即しているとは限りませんから、あまり鵜呑みにしないことです。

 

タカ:先輩投資家の事例なども読んでみたい気もしますね。

 

神山:あまり本の情報が頭に入りすぎてしまっても買えなくなってしまうことがあります。

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『「有名人」のための資産形成入門』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「有名人」のための資産形成入門

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安次嶺 格

幻冬舎メディアコンサルティング

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