今回は、「エジプト」の二輪車マーケットの現況を見ていきます。※本連載は、公認会計士・税理士で、久野康成公認会計士事務所所長、株式会社東京コンサルティングファーム代表取締役会長の久野康成氏が監修した『新興国ビジネス業界地図』(TCG出版)から一部を抜粋し、激変する新興国市場のうち、特に注目したい4カ国の現状と今後の動向予測を見ていきます。
見込まれる需要はアフリカ大陸全体で2億5,000万台!?
今後の経済成長が見込まれる諸国として、アフリカ地域では南アフリカ、そしてエジプトに対する関心が高まっている。
今後アフリカ大陸の経済発展が進めば、ASEAN各国と同じくらいの二輪車普及率(約4人に1台)が見込め、約10億人のアフリカ大陸市場であれば、2億5,000万台の需要が見込める。
中国&インドのメーカーに対抗するホンダの戦略とは?
世界最大の二輪車メーカーであるホンダは、低価格戦略車の投入を始めた。2015年9月時点、円安が進み日本に回帰をするなど厳しい状況が続くが世界最大の二輪車メーカーであるホンダは低価格戦略車の投入をするなど、積極的な戦略をとっている。
品質が非常に優れているぶん高価なため、日本製品は中国やインドの低価格の製品に押され気味である。さらに、エジプトに限らずアフリカ市場は中古車にも人気があり、新車販売を急激に伸ばすことも非常に厳しい状況である。
BRICsの次に大きく成長すると期待されるアフリカ市場では、ホンダのように低価格路線で浸透を狙うのはもちろん、次の一手を用意しておかなければ、二輪から四輪需要に移行するころには二輪車需要が廃れてしまう恐れがある。
久野康成公認会計士事務所 所長
株式会社東京コンサルティングファーム 代表取締役会長
東京税理士法人 統括代表社員
公認会計士・税理士・社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
1965年生まれ。愛知県出身。1989年滋賀大学経済学部卒業。1990年青山監査法人(プライスウオーターハウス)入所。監査部門、中堅企業経営支援部門にて、主に株式公開コンサルティング業務に係わる。
クライアントの真のニーズは、「成長をサポートすること」であるという思いから監査法人での業務の限界を感じ、1998年久野康成公認会計士事務所を設立。
営業コンサルティング、IPOコンサルティングを主に行う。
現在、東京、横浜、名古屋、大阪、インド、中国、香港、モンゴル、タイ、インドネシア、ベトナムほか世界27カ国にて、「第2の会計事務所」として経営コンサルティング、海外子会社支援、内部監査支援、連結決算早期化支援、M&Aコンサルティング、研修コンサルティング、経理スタッフ派遣・紹介等幅広い業務を展開。国際会計事務所グループGGI(世界第6位)の日本におけるグローバルアライアンスメンバーファームに加盟。
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連載新興国ビジネス業界地図――ラオス・ケニア・エジプト・ペルー編