今回は、エジプトの自動車マーケットの現況を見ていきます。※本連載は、公認会計士・税理士で、久野康成公認会計士事務所所長、株式会社東京コンサルティングファーム代表取締役会長の久野康成氏が監修した『新興国ビジネス業界地図』(TCG出版)から一部を抜粋し、激変する新興国市場のうち、特に注目したい4カ国の現状と今後の動向予測を見ていきます。

急に変わる法制など、日本メーカーの進出には壁も

日本から中東、アフリカ、ヨーロッパなどへの輸出拠点として魅力的な立地であることは紛れもない事実ではあるが、国内向け産業としては未発達であると言わざるを得ない。

 

 

1人当たりの名目GDPが3,226USドル(2013年)と低いので消費市場は発達せず、アジア圏内と比べるとあまりにも遠いため、進出の際の課題が多い。また、日本ではまず考えられないような法制の急激な変化など、日本メーカーが進出するには高い壁も多く存在している。

為替・貿易自由化等で、ここ数年で最も安定した状態に

近年、エジプトでは大規模なデモ活動などが見られ、メーカーによっては工場の稼働停止を行ったために販売台数が激減している。

 

とはいえ、2013年度については、国内情勢悪化により7月に急激に販売台数が落ち込んだにもかかわらず、自動車市場はここ数年で最も安定した状態にある。1997年に設置されたフリーゾーン、為替・貿易自由化や関税率の簡素化などによって多少なりとも日本のメーカーが進出しやすくなった。

 

外資誘致に積極的であり、国内だけにとどまらず国内の輸出向け産業育成に力を注いでいる。

新興国ビジネス業界地図

新興国ビジネス業界地図

久野 康成

TCG出版

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