まずは、売買の「自己ルール」を確立する
株式投資に負けないためには、トレーダーは少なくとも以下の8つの心構えを持つことが求められます。
●心構え① 学習研究しトレードに関する自己ルールを確立せよ
まず売買の自己ルールを確立するために、実戦開始まで6か月ほどの「わかば期間」をおいてしっかり勉強をしましょう。準備期間は絶対に必要です。
●心構え② 綿密な計画を立て、損切り設定をせよ
失敗はつきもの、しかし、失敗後はすぐ、間違えた原因を考え、解答をみつけることが大事です。おそらく原因は、間違えた位置でエントリーした自分自身のうかつさ、無計画に近い状態で、なんとなく売買してしまった怠慢さ、などでしょう。自分自身を守ることは資金を守ることですから、自分を守るルールを作らねばなりません。そして自分が確立した損切りルールと値段を守ることで、資金と利益を守りましょう。常に損失と損失の可能性を考えてみるべきです。
●心構え③ 相場に必要なのは、行動力と忍耐力だ
明確な売買ポイントがわかっても、すぐにそのチャンスが来るはずもなく、「チャンスを待つ忍耐力」が必要です。そして、いざチャンスが来たら、怖気づかず、売買をする勇気を持って、決行する必要があります。なぜなら相場への恐怖、結果への懸念が常に、せっかくのチャンスを台無しにするからです。
●心構え④ 期待感も恐怖感もいだくな
期待は破滅に導く「地獄への近道」。相場を研究、トレンドを確定、事実を客観的に観察、資金配分、そしてポジションをつくるべきです。一方トレーダーへの恐怖についても自覚すべきです。恐怖もまた損失の大きな原因。恐怖は、狼狽するトレーダーに、やってはならない、大底で売ったり、天井で買わせたりします。こういう醜態を見せないのが、しっかりと事実をつかむ姿勢。真実をつかめば、恐怖におののかず、おのずと適切な行動をとることができ、再び利益を上げることができます。もしトレンドがわからなくなれば、相場を離れるべきです。
慢心を生まないよう、失敗の理由を分析・振り返る
●心構え⑤ 勝って兜の緒を締めよ
順調に利益を重ねていくと、自信過剰から慢心が生まれます。損をしたときの反省を忘れ、時々の売買失敗の理由に関心を示さなくなります。自分の失敗の責任を回避し、快調に儲けた時期には厳しく自分のルールをみていたことをすっかり忘れてしまい、やがて没落への道を歩み出すのです。
●心構え⑥ 各種チャートを常に眺めよ
チャート読みの基本は、「株価の動きのパターン解読」にありますから、毎日多数のチャートをじっくり見ていると、株価の動きのパターンが必ずわかってきます。過去のパターンは、現在のチャートに再現します。銘柄の中に、毎年同じ波動を作り、循環しているものが多いことがわかれば、その特徴的な動きをつかめば、儲けやすくなります。
●心構え⑦ 情報過多になって過剰売買を繰り返すな
わずかな利益を狙って、情報過多な雑誌情報を漁っても、そうした一貫性のない情報の海に溺れ、翻弄され、結局損失をこうむることになります。頻繁な売買は、「それだけ心変わりをしている」状況だと映ります。頻繁な売買は手数料がかさむばかりでなく、失敗率が高くなります。頻繁に決断する慌しさではうまくいくはずがありません。
●心構え⑧ 資金配分を考えよ
資金は命。この配分は厳密にしなければなりません。売買に用いる総資金を10等分して、1回の売買の損失リミットを限定すべきです。仮に200万円の総資金なら、20万円を損失リミットに置きます。さらに、売買に用いる資金の投入の際には、一定の額での投入を続け、いくらポジション・メーキングに自信があっても、過剰な投入は避けるべきです。 将来に続く長い投資生活では、的確な決断と実行を繰り返しますから、総資金が一定の率で膨らんでいくことが望ましいでしょう。
<POINT>
投資を成功させるためには、学習によりしっかり自己ルールを確立させ、それから実戦をスタートするべきである。