(※写真はイメージです/PIXTA)

共働き世帯にとって、祖父母による子育てのサポートは心強いものです。一方、送迎や預かりが日常的になると、祖父母自身の予定や体調との調整が難しくなることもあります。頼まれたときには喜んで引き受けていたはずが、いつの間にか断りづらくなっていたというケースもあるでしょう。週4日、孫の迎えを続けてきた71歳女性も、ある出来事をきっかけに娘へ初めて断りの連絡を入れました。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

「今日は迎えに行けない」初めてのLINEに返ってきた娘の言葉

足の痛みが続いていたある朝、美佐子さんは娘にLINEを送りました。

 

「今日は足が痛いから、迎えに行けないと思う。急でごめんね」

 

送信するまでに何度も文章を書き直したそうです。

 

「娘が困るだろうと思うと、申し訳なくて。でも、これ以上無理をして、もっと悪くなったらどうしようという気持ちもありました」

 

しばらくして、理恵さんから返信が届きました。

 

「えっ、今日? 急に言われても困るんだけど。どうしよう」

 

美佐子さんは、その言葉を読んで悲しくなったといいます。

 

「心配してほしかったというより、まず『大丈夫?』と聞いてもらえると思っていたんです。私が迎えに行くことが、すっかり当たり前になっていたんだなと感じました」

 

内閣府『令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査』によると、日常生活で家族や知人から頼られる内容として「子や孫の世話」を挙げた人は26.0%でした。高齢者が子育てを支える役割を担っていることがうかがえます。

 

その日の迎えは、理恵さんが職場に事情を説明して早退し、対応することになりました。

 

週末、理恵さんが美佐子さんの家を訪ねてきました。

 

「この前はごめん。仕事のことばかり考えて、足の具合も聞かなかったね」

 

美佐子さんは、これまで言えなかった気持ちを伝えました。

 

「孫に会うのは楽しいし、これからも手伝いたい。でも、週4日はちょっと大変になってきたの。私にも自分の予定があるから」

 

理恵さんは驚いた様子でしたが、しばらく考えてから「そんなに負担になっていたとは思わなかった」と答えたそうです。

 

その後、娘夫婦は勤務時間の調整や学童の利用方法を見直し、美佐子さんに迎えを頼むのは原則週2日までと決めました。追加でお願いするときも、事前に都合を確認するようになったといいます。

 

「今は迎えに行く日が減った分、孫が来るのを前より楽しみにできています。娘も『無理だったら言ってね』と聞いてくれるようになりました」

 

美佐子さんは、足の痛みが落ち着いてから、以前断った友人との旅行にも出かけました。

 

共働き家庭にとって、祖父母の協力は大きな支えになります。ただ、送迎や預かりが習慣になるほど、祖父母の負担は見えにくくなりがちです。家族で助け合う関係を長く続けるためにも、頼む頻度や時間を定期的に確認し、祖父母が無理なく引き受けられる範囲を共有しておくことが大切でしょう。

 

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