「今年も買ってくれるよね?」孫への贈り物が年間20万円超
73歳の久美子さん(仮名)は、75歳の夫・和夫さん(仮名)と郊外の持ち家で暮らしています。
夫婦の年金収入は合計月約23万円。住宅ローンは完済しており、貯蓄は約2,000万円あります。
長男の健吾さん(45歳・仮名)は妻と、中学2年生の娘、小学5年生の息子の4人暮らし。久美子さん夫婦の自宅から車で30分ほどの場所に住んでいます。
久美子さんにとって、2人の孫の成長を見守ることは大きな楽しみでした。
誕生日には欲しがっていたおもちゃや洋服を買い、クリスマスにもプレゼントを用意。入学祝いには現金を渡すなど、折に触れて孫たちを喜ばせてきました。
「小さい頃は、何をあげても大喜びしてくれたんです。それがうれしくて、つい奮発してしまいました」
ところが、孫たちが成長するにつれ、希望する品物も高額になっていきました。
上の孫には誕生日に約5万円のタブレット端末、下の孫には約6万円のゲーム機。クリスマスにはそれぞれ2万円前後のプレゼントを用意し、お年玉も1人2万円ずつ渡していました。
気づけば、孫2人への贈り物だけで年間20万円を超えるようになっていたのです。
ある日、下の孫から電話がありました。
「おばあちゃん、今年の誕生日は新しいゲーム機が欲しいんだけど、買ってくれる?」
久美子さんが返事に迷っていると、そばにいた健吾さんも「最近はゲーム機も高いからなあ」と笑っていたそうです。
以前なら、孫の希望をかなえようとすぐに商品を調べていた久美子さん。しかし、その日は即答できませんでした。
実は少し前、和夫さんから贈り物の金額について相談されていたのです。
「孫がかわいいのはわかるけど、毎年これだけ使うのはどうなんだろう。俺たちも、これからお金が必要になるかもしれないぞ」
夫婦の毎月の生活費は約25万円。年金だけでは足りず、旅行や家電の買い替えなども含めると、年間50万円ほど貯蓄を取り崩していました。
久美子さん自身も、最近は医療費が増え、将来の介護費用が気になり始めていました。
夫と話し合った末、久美子さんは次の誕生日を区切りに、高額なプレゼントをやめることにしました。
「今年のお祝いはするけど、こういう高いものを買うのは今年で最後にするね。これからは、もう少し小さなプレゼントにさせてね」
孫は少し残念そうな顔をしましたが、久美子さんが気になったのは、その場にいた息子の反応でした。
