「家賃を払い続けるよりいい」退職金で購入した庭付き一戸建て
68歳の隆夫さん(仮名)は、67歳の妻・典子さん(仮名)と、首都圏郊外の一戸建てで暮らしています。
夫婦の年金収入は合計月約24万円。隆夫さんは会社員として長年勤務し、65歳で退職した際には1,600万円の退職金を受け取りました。典子さんも長くパート勤務を続けていました。
以前は東京都内の2LDK賃貸マンションに住み、家賃は月約13万円。便利な立地でしたが、年金生活になってからも家賃を払い続けることに不安を感じていたそうです。
「家賃だけで年間156万円でしょう。これから20年住んだら3,000万円以上になる。それなら、どこかに家を買ったほうがいいんじゃないかと思ったんです」
都内で住宅を購入するのは難しくても、郊外まで範囲を広げれば、比較的手頃な中古住宅が見つかります。
隆夫さんは以前から、退職後は庭のある家で野菜を育てたいと考えていました。
「マンション暮らしが長かったので、庭のある家に憧れていたんです。朝起きて庭に出て、好きなことをしながら過ごせたら最高だなと」
夫婦は休日を利用して物件を見学し、都心から電車で1時間半ほどの地域にある中古一戸建てを気に入りました。
築23年の木造2階建てで、間取りは4LDK。南向きの庭があり、駐車場も付いています。
購入価格は1,480万円でした。
「東京でこの広さの家を買おうとしたら、とてもこの値段では無理でしょう。内装もきれいで、すぐに住めそうでした」
購入前には建物状況調査を依頼し、屋根や外壁、床下などの状態も確認しました。大きな不具合は指摘されず、当面は小規模な補修で済むと考えたそうです。
退職金1,600万円と、それまでの貯蓄から購入費用や諸経費、引っ越し代を支払い、手元には約1,200万円の金融資産が残りました。
引っ越したのは春先。庭には花が咲き、窓を開けると鳥の声が聞こえました。
「前の家では車の音が気になっていたけれど、ここは本当に静か。引っ越してよかったね」
典子さんも、最初の頃は新しい暮らしを楽しんでいました。
しかし、半年ほどたった頃、夫婦は少しずつ生活の不便さを感じるようになったといいます。
