2025課税年度におけるEITCの適格要件
米国内国歳入庁(IRS)のPublication 596(2025)によると、2025課税年度のEITCの主な適格要件は、以下のとおりです。
イ 所得に関する要件
調整総所得(Adjusted Gross Income:AGI)および勤労所得が、適格児童の人数と申告形態に応じた基準額を下回っている必要があります。
2025課税年度の基準額は、以下のとおりです。
・適格児童が3人以上:単独申告等で61,555ドル未満、夫婦合算申告で68,675ドル未満
・適格児童が2人:単独申告等で57,310ドル未満、夫婦合算申告で64,430ドル未満
・適格児童が1人:単独申告等で50,434ドル未満、夫婦合算申告で57,554ドル未満
・適格児童がいない場合:単独申告等で19,104ドル未満、夫婦合算申告で26,214ドル未満
ここでいう「単独申告等」には、単独申告のほか、世帯主としての申告や一定の要件を満たす寡婦・寡夫などの申告形態が含まれます。
ロ 投資所得に関する要件
投資所得が11,950ドル以下である必要があります。投資所得には、利子や配当などが含まれます。この上限を超える場合には、EITCの適用を受けることができません。
ハ その他の要件
そのほか、主に以下の要件を満たす必要があります。
② 外国勤労所得に関するForm 2555を提出していないこと
③ 有効な社会保障番号(Social Security Number:SSN)を所持していること
④ 勤労所得があること
また、適格児童がいる場合には、親族関係、年齢、居住期間などについても所定の要件を満たす必要があります。
適格児童がいない場合には、原則として25歳以上65歳未満であること、他人の扶養親族や適格児童に該当しないこと、米国内に半年を超えて居住していることなど、別の要件が設けられています。
IRSの計算例から見るEITCの控除額
IRSのPublication 596(2025)では、夫婦と子ども2人の世帯を例に、EITCの計算方法を説明しています。
具体的には、次のようなケースです。
① XとYは夫婦で、2人の子どもがいます。Xの勤労所得は15,000ドル、Yの勤労所得は18,030ドルです。夫婦の年間の利子所得は525ドルです。
② XとYは有効な社会保障番号を所持しており、夫婦合算申告を行っています。夫婦の勤労所得の合計は33,030ドルです。
③ 利子所得525ドルは、投資所得の上限である11,950ドル以下です。
④ 2人の子どもはいずれも適格児童の要件を満たしています。
⑤ 夫婦の調整総所得は33,555ドルです。
EITCの控除額を算定する際には、IRSが公表するEarned Income Credit Tableを使用します。この表は、所得金額や申告形態、適格児童の人数に応じた控除額を確認するためのものです。
この事例では、まず勤労所得33,030ドルを基準に計算すると、控除額は6,614ドルとなります。一方、利子所得525ドルを加えた調整総所得33,555ドルを基準にすると、控除額は6,498ドルです。
EITCでは、勤労所得と調整総所得のそれぞれを基準に控除額を算定し、そのうち低い金額を採用します。この事例では、6,498ドルが適用される控除額となります。
このように、EITCは勤労所得だけでなく、利子所得などを含めた調整総所得も考慮して控除額を決定する仕組みになっています。
