「残クレのなにが悪いんでしょうね」新車のアルファードを購入した世帯年収500万円・35歳夫婦。ショッピングセンターの駐車場で起きた“想定外の悲劇”【FPが警鐘】

 「残クレのなにが悪いんでしょうね」新車のアルファードを購入した世帯年収500万円・35歳夫婦。ショッピングセンターの駐車場で起きた“想定外の悲劇”【FPが警鐘】
(※写真はイメージです/PIXTA)

手軽に憧れの車種に乗れる購入方法として普及している「残価設定ローン(残クレ)」。月々の返済額を抑えられるメリットがある一方で、将来据え置かれた残価や、「一括清算リスク」を十分に理解できていないケースは少なくありません。本記事ではFP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が、田中健一さん(仮名)の事例とともに、残クレの仕組みと注意点について解説していきます。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。

年収より高い買い物、自慢の愛車は新車のアルファード

「今度の休み、みんなでキャンプに行かないか?」

 

友人にそう声をかけたのは、地方都市に暮らす会社員の田中健一さん(35歳)。

 

健一さんは地元の製造業に勤務しており、年収は約390万円。妻の美咲さん(仮名/33歳)は近所のスーパーでパート勤務をしており、年収は約110万円です。夫婦には小学生と保育園児の2人の子どもがおり、世帯年収は約500万円。市街地から少し離れた住宅地に一戸建てを購入し、住宅ローンを返済しながら生活しています。

 

そんな健一さんには、新車で購入した自慢の愛車・トヨタのアルファードがありました。

 

広々とした室内に高級感のある内装。友人家族とキャンプに出かけたり、海でバーベキューを楽しんだりするときにも大活躍していました。

 

しかし、妻の美菜さんは家計のことが気になっていました。住宅ローンに加え、車のローン、ガソリン代、自動車保険、子どもたちの教育費など、毎月の支払いは決して少なくありません。預金残高はなかなか増えず、生活費が不足する月にはボーナスで補うこともありました。

 

健一さんが購入したアルファードの価格は、諸費用などを含めて約600万円。頭金はほとんど用意できなかったため、5年間の残価設定ローンを利用しました。5年後の残価を約300万円に設定し、残りの金額と金利負担などを毎月支払う契約です。

 

月々の支払いは約7万円。決して安い金額ではありませんでしたが、通常のローンよりも月々の返済額が低くなることが、購入の決め手になりました。

 

「5年経ったら返せばいいんだし。残クレのなにが悪いんでしょうね」

 

健一さんは、そう考えていたのです。

次ページアルファード購入から2年後の悲劇

※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

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