管理人が次々と交代する「本当の原因」
管理人が頻繁に交代する背景には、本人の事情だけでなく、管理会社の管理体制に問題が潜んでいるケースもあります。たとえば、管理人が居住者から苦情や相談を受け、管理会社の担当者に報告しても、具体的な指示が返ってこない。対応が進まないことで、再び居住者から苦情を受けるのは現場の管理人です。
「管理会社に何度も報告しているのに、なにも対応してくれない……」
こうした状況が続けば、管理人が精神的な負担を感じ、退職につながる可能性もあります。
ここで重要になるのが、管理会社の「フロント担当者」の存在です。フロント担当者は、管理組合との窓口となり、理事会への報告や提案、現場の管理人との連携などを担います。
しかし、フロント担当者が現場の問題を十分に把握せず、管理人への指示やサポートを怠っていれば、管理業務は円滑に進みません。さらに、管理会社の上司や管理職がこうした問題を放置すれば、管理人が交代するたびに新しい人を配置するだけの悪循環に陥るおそれがあります。
「管理人が長く働けない職場環境」になっている可能性も
「管理人がすぐ辞める」のではなく、「管理人が長く働けない職場環境になっている」可能性もあるのです。もちろん、管理人の退職や交代にはさまざまな理由があり、頻繁な交代だけで管理会社の怠慢と断定することはできません。
しかし、管理人が何度も交代し、そのたびに業務の引き継ぎ不足や対応の遅れが発生しているのであれば、管理会社のマネジメント体制そのものを確認する必要があります。
「月2万7,000円も払っているのに…」誰もチェックしない“放置マンション”
木村さん夫婦は、住宅ローンの返済とは別に、毎月の管理費1万6,000円と修繕積立金1万1,000円、合計2万7,000円を支払っています。年間では32万4,000円にもなります。
「毎月きちんとお金を払っているのに、どうしてこんな状態なんだろう」
そう感じるのも無理はありません。ただし、ここで理解しておきたいのが、マンション管理の仕組みです。分譲マンションの管理主体は、区分所有者で構成される「管理組合」です。管理会社は、管理組合との契約に基づいて管理業務を行います。管理会社に業務を委託していても、管理組合がすべてを任せきりにしてよいわけではありません。
一方、管理会社にも契約に基づく業務を適切に行う責任があります。特に注意したいのは、管理組合の理事が1~2年程度で交代するマンションでは、過去の問題や管理会社とのやりとりが十分に引き継がれない場合がある点です。
さらに管理会社のフロント担当者まで交代すると、以前から指摘されていた問題がうやむやになってしまうことも考えられます。管理人、フロント担当者、管理組合の理事。それぞれが短期間で交代し、情報共有が不十分な状態が続けば、管理運営の継続性が損なわれてしまいます。
