「家にいないほうが気楽」連休に予定を入れるようになった理由
慎吾さんが連休に家を空けるようになったのは、2年ほど前からです。姉一家が実家を訪れるとわかると、友人と出かけたり、一人で近場のホテルに泊まったりします。
「旅行が好きなのも本当です。でも、家にいたらまた結婚の話になると思うと、出かけたほうが気楽なんですよね」
母親には「せっかくみんなが来るのに」と言われますが、慎吾さんは無理に予定を合わせなくなりました。
総務省『令和2年国勢調査』によると、2020年時点で40~44歳男性の未婚割合は32.2%。同年代の男性の約3人に1人が未婚であり、40代で結婚していないことは珍しい状況ではありません。
慎吾さん自身も、独身であることを特別な問題だとは考えていません。
「資産が5,000万円あるのも、今まで自分なりに働いて貯めてきた結果です。将来の生活に備えているだけで、結婚しないために貯めたわけではありません」
一方で、家族が結婚を勧める理由も、理解できないわけではないそうです。
「母は、自分が亡くなったあとに僕が一人になるのを心配しているんだと思います。姉も、悪気があるわけじゃないんでしょう」
ただ慎吾さんが気になっているのは、家族が自分の現在の暮らしにあまり関心を示さないことです。
「仕事はどうなのとか、最近何が楽しいのとか、そういう話もしたいんです。でも、最後は結婚の話になってしまう」
昨年の秋、慎吾さんは母親に自分の気持ちを伝えました。
「結婚の話をされるのが嫌で、連休は外に出るようにしてるんだよ」
母親は驚いた様子でしたが、「そんなに嫌だったのね」と答えたそうです。
それ以来、母親から結婚について尋ねられることは減りました。ただ、姉一家が来る日は、今でも外出することが多いといいます。
「甥たちのことはかわいいですし、姉とも仲が悪いわけではありません。今は無理に一緒に過ごすより、たまに顔を合わせるくらいがちょうどいいんです」
慎吾さんは、次の休みにも一人旅を予定しています。
「結婚するかどうかは、これから自分で考えます。今の生活も楽しみたいですから」
親族の集まりでは、結婚や仕事、子どものことなど、身近な話題ほど踏み込みすぎてしまう場合があります。相手を気遣うつもりの言葉でも、繰り返されれば負担になることがあるでしょう。家族との関係を長く保つためにも、それぞれの生き方を尊重し、本人が話したくないことには無理に踏み込まない配慮が求められます。
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