「気が楽になりました」夫婦が選んだ新しい暮らし
夫婦が最初にしたのは、自宅の売却価格を調べることでした。
不動産会社に査定を依頼すると、土地と建物を合わせて約1,500万円という金額が提示されました。
「もっと安いと思っていたので、少し驚きました。建物は古いですが、土地には一定の価値があったようです」
その後、売却活動を進め、最終的に約1,450万円で買い手が見つかりました。売却に伴う仲介手数料や引っ越し費用などを差し引き、夫婦の手元には約1,350万円が残りました。
新居に選んだのは、駅から徒歩圏内にある2DKの賃貸住宅です。家賃は管理費込みで月約7万円。エレベーターのある建物で、スーパーや病院にも歩いて行けます。
「前の家は車がないと買い物が不便でした。これから運転できなくなっても暮らせる場所がよかったんです」
国土交通省『令和5年住生活総合調査』では、今後5年以内に住み替えを考えている世帯が挙げた理由として、住居費の負担や住宅の老朽化、生活の利便性などが調査されています。住み替えでは、住宅の広さだけでなく、将来の暮らしやすさも重要な判断材料になります。
引っ越しから半年。美代子さんは、生活の変化を実感しています。
「掃除する場所が減って、庭の手入れもしなくてよくなりました。家のどこかが壊れるたびに、何十万円かかるんだろうと心配することもなくなったんです」
一方で、家賃は毎月かかります。年金20万円から家賃7万円を払うため、夫婦は食費や交際費などを見直し、月々の支出を抑えるようになりました。
不足する月は売却代金の一部を取り崩すこともありますが、住宅の維持管理に備えてまとまった現金を確保する必要がなくなったことを、安心材料に感じているそうです。
「家賃を払い続ける不安はあります。でも、今の私たちには、この広さがちょうどいいんです」
隆夫さんも最近では、「あのとき決めてよかったな」と話すようになりました。
長年暮らした家を手放すことには、寂しさも伴います。しかし、年齢や家族構成が変われば、必要な住まいの条件も変化します。修繕費や住居費だけでなく、管理にかかる労力や将来の移動手段まで含めて検討することが、無理のない老後の暮らしにつながるでしょう。
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

