利用者の7割が「情報検索」にAIを活用
生成AIが情報検索の手段として定着しつつある実態は、公的な調査データにもはっきりと表れている。内閣府が今年2月、満10歳以上かつ日本在住の生成AI利用者を対象に実施した「生成AI利用者の利用実態に関するアンケート」によると、「ビジネス・学業で生成AIを使用する目的」のトップは「情報の検索・リサーチ」で70.7%に達した(複数回答)。2位の「文章の作成・編集」(40.2%)とは30ポイント以上の大差がついており、生成AIがまず「調べるための道具」として広く受け入れられていることが浮き彫りとなった。
こうした傾向は民間企業の調査でも裏付けられている。生成AIサービスを展開する株式会社FIXERが実施した2月の利用動向調査において「生成AIをどのような業務に利用しているか」を尋ねたところ、「情報収集・調査」が52.7%で全体の2位を記録した(複数回答)。1位の「文書の要約」(61.0%)に迫る高い割合であり、日々の実務において情報検索ツールとして重宝されている状況がうかがえる。
AI検索がこれほど急速に支持を集めている最大の理由は、その圧倒的な効率性にある。従来の検索エンジンでリサーチを行う場合、複数のサイトを一つひとつ開き、自力で内容を読み解いて比較する必要があった。一方、生成AIであれば、複数の情報源を瞬時に横断して要点を整理し、端的な回答として出力してくれる。さらに、曖昧な相談や複雑な条件設定を含む質問であっても、自然な対話形式で意図を汲み取ってくれる点も大きな強みだ。
かつて2000年代初頭、Googleなどの検索エンジンを用いて言葉や情報を探す行為は「ググる」と呼ばれ、インターネット文化を象徴する言葉として広く定着した。しかし今、日常的な検索行動の中心は「ググる」から「AIに尋ねる」形へと急速にシフトしつつある。業界内からは「近い将来、『ググる』という言葉自体が死語になるのではないか」という指摘すら聞かれるようになった。
WEB業界を揺るがす「ゼロクリック問題」
しかし、AI検索の普及は利便性をもたらす一方で、深刻な副作用も生み出している。それが「ゼロクリック」と呼ばれる問題だ。
AIが検索画面上で要約した答えを直接提示して完結させてしまうため、ユーザーが情報の発信元であるウェブサイトを訪問しなくなる現象を指す。この動きが加速すれば、検索流入や広告収入に依存するメディア、ハウツー系サイト、アフィリエイト情報サイトなどはPV激減という大打撃を受けかねない。良質な一次情報を発信するサイトが立ち行かなくなれば、巡り巡ってAIが学習する情報の質そのものが低下するという懸念も根強い。
検索革命の波がどこへ向かうのか、今後の動向から目が離せない。
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