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地政学的リスクの高まりなどを背景に、生成AIを通じた情報漏洩への警戒感が強まっている。総務省の調査によると、生成AIの活用に伴うリスクについて、日本では情報漏洩などのセキュリティ面を懸念する声が、欧米諸国や中国と比べても突出して高いことがわかった。一方、民間調査では「社内で業務利用が認められれば、生成AIを使いたい」という声が4割超に達している。AIを活用して現場の生産性を向上させるには、情報漏洩を防ぐ対策の強化や正しい知識の普及を通じ、企業が安心して導入できる環境を整えることが不可欠だ。

日本企業の半数近くが生成AIによる情報漏洩を懸念

日本企業の情報漏洩に対する強い警戒感を示したのが、総務省の「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究(2026年版)」だ。

 

企業に生成AIの活用時に懸念するリスクを尋ねたところ、日本では「情報漏洩などのセキュリティリスク」との回答が46.4%で最多となった。一方、中国は42.7%、米国は36.9%、ドイツは31.7%にとどまっている。

 

各国の最多回答を見ると、ドイツは「著作権侵害」、米国と中国は「出力結果の精度への懸念」がトップだった。2番目に多かった回答は、ドイツが「プライバシー侵害の可能性」、米国と中国は「出力結果に倫理上不適切な内容や偏見が含まれる可能性」だった。日本以外の国では上位2位以内に「セキュリティリスク」が入っておらず、日本企業の懸念の高さが際立つ結果となった。

「業務で認められれば使いたい」が4割超

日本企業が情報漏洩リスクを特に警戒する背景には、生成AIの仕組み自体がある。AIはユーザーが入力したデータを学習し、サービスの精度向上に利用することがあるため、適切なリスク対策が施されていない場合、自社の機密情報が他者への回答として出力されてしまう恐れがあるからだ。さらに、悪意ある第三者がAIシステムへ不正アクセスし、データを窃取するサイバー攻撃リスクも懸念されている。

 

こうしたリスクを懸念し、社内での生成AI利用を原則禁止または未許可としている日本企業も少なくない。

 

クラウド構築支援を手掛けるFIXERが2026年に実施した調査によると、生成AIをまだ業務利用していない人に「どのような条件が整えば利用したいか」と尋ねた際、「社内で業務利用が認められたとき」との回答が43.2%で最多となった(複数回答)。同調査では、すでに文書や資料作成で生成AIを利用している人の82.4%が「効果を実感した」と答えている。日本でAIを活用した業務効率化を進めるためには、セキュリティ対策の強化とともに、企業側が安心して利用を開始できるガイドラインの整備やサービスの開発が求められそうだ。

 

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※本連載は、ジャーナリスト・日高広太郎氏編集協力のもと作成しております。

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