利用者も初回の事前登録が必要、源泉徴収票との照合も
利用者側にも初回の事前準備が必要となる。e-Taxのマイページで情報取得を希望する旨を登録するなど、所定の手続きを済ませておかなければならないからだ。
給与情報の自動入力は、源泉徴収票そのものが不要になるという意味ではない。勤務先から交付された源泉徴収票などと照合し、取得したデータが申告内容と一致しているかを確認することが重要だろう。
医療費控除やふるさと納税もデータで取得できる
マイナポータル連携の対象は、給与情報に限らない。所得に関する情報や各種控除の証明書なども取得でき、確定申告書の作成に利用できる。
収入に関する情報では、公的年金等の源泉徴収票や株式の特定口座年間取引報告書のほか、生命保険契約等の一時金・年金、損害保険契約等の満期返戻金などが対象となっている。
控除に関する情報では、医療費、ふるさと納税などの寄附金、国民年金保険料などの社会保険料、生命保険料、地震保険料、iDeCoの掛金、住宅ローン控除関係などが挙げられる。
例えば、医療費控除を申告する場合、年間の医療費を集計し、対象となる支出を確認する作業が必要となる。マイナポータル連携を利用すれば、対応する医療費通知情報を取得し、申告書の作成に活用できる。
ふるさと納税についても、対応する寄附金情報を取得して寄附金控除の申告に利用できるため、寄附先ごとの金額を手入力する手間を減らせる。
連携できる情報には条件がある。医療費通知に含まれていない支出や、マイナポータル連携に対応していない発行主体の控除証明書などは、別途確認や入力が必要となる場合がある。
また、医療費や社会保険料などについて、家族分の情報を取得して申告に含める場合には、マイナポータルで代理人登録を行う必要があるものもある。
したがって、マイナポータル連携を利用すれば申告に必要な情報がすべてそろうとは限らない。自動取得できるデータと、自分で確認・入力しなければならない情報を区別して準備することが大切だ。
申告書の作成から送信まで、スマホで進めるには?
確定申告書を作成する際には、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用できる。画面の案内に沿って必要事項を入力すれば、所得税などの申告書を作成でき、e-Taxによる送信まで進められる。税額なども自動計算されるため、自分で計算する負担を抑えられる仕組みである。
マイナポータル連携を利用する場合は、マイナンバーカードを使ってe-Taxで申告し、マイナポータルから必要なデータを取得する。取得した情報は申告書の該当項目に反映されるため、利用者は内容を確認しながら申告書を作成できる。
スマートフォンで申告する場合は、マイナンバーカードの読み取りに対応した端末が必要である。パソコンなどから申告する場合も、スマートフォンでカードを読み取る方法、またはICカードリーダライタを利用する方法がある。
利用者は約408万人、送信前の確認は欠かせない
国税庁によると、令和7年分の確定申告では約408万人がマイナポータル連携を利用した。利用者が増えている背景には、収入や控除に関する情報をまとめて取得でき、申告書への入力作業を効率化できる点がある。
一方で、データの取得と申告書の提出は別の作業である。自動入力された情報を確認し、必要な項目を補ったうえで、申告内容に誤りがないことを確かめてから送信する必要がある。
申告前に済ませたい4つの準備
申告時期になってから慌てないよう、次の4点を早めに確認しておきたい。
1. 勤務先がeLTAXなどで提出しているか確認する
給与情報の自動入力は、勤務先がeLTAXで給与支払報告書を提出している場合などが対象となる。勤務先の経理・人事担当者に、提出方法を確認しておくとよい。
2. e-Taxのマイページで情報取得を登録する
初回は、e-Taxのマイページで情報取得を希望する旨を登録する必要がある。
3. 「マイナアプリ」にアップデートし、利用登録をする
令和8年8月25日には、「マイナポータルアプリ」に「デジタル認証アプリ」の機能を統合した「マイナアプリ」の提供が始まった。マイナンバーカードを使ってe-Taxで申告する際には、マイナアプリを利用することになる。
国税庁は、従来のマイナポータルアプリを利用していた人に対し、アプリストアからマイナアプリにアップデートし、利用登録を行ったうえで「確定申告書等作成コーナー」を利用するよう案内している。これまで対象のアプリを利用していなかった人は、マイナアプリをダウンロードして準備する必要がある。申告時期になってから始めると、手続きに時間がかかる可能性もある。
4. マイナンバーカードと電子証明書の有効期限を確認する
マイナンバーカードを使ったe-Taxでは、カード本体だけでなく、電子証明書の有効期限も確認する必要がある。
マイナンバーカードの有効期限は、発行時に18歳以上だった人は原則として発行から10回目の誕生日まで、18歳未満だった人は発行から5回目の誕生日までである。ただし、令和4年3月31日までに交付申請した20歳未満の人については、経過措置により有効期限が異なる場合がある。
一方、電子証明書の有効期限は年齢にかかわらず、発行から5回目の誕生日までである。カード本体の有効期限が残っていても、電子証明書だけが先に期限を迎えることがあるため、注意が必要である。
マイナンバーカードと電子証明書は、いずれも有効期限の3か月前から更新できる。期限が切れていると、e-Taxでの認証や申告手続きに支障が出る可能性があるため、早めに確認しておきたい。
マイナポータル連携は、確定申告をすべて自動で終わらせる仕組みではない。しかし、必要な情報をデータで取得し、申告内容を確認する方式に切り替えれば、転記や集計の負担を減らせる。勤務先の対応状況や自分が使える連携機能を確認し、早めに準備を進めておきたい。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
参考資料(国税庁)
国税庁「令和8年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でもっと便利に!」
国税庁「給与支払報告書」はeLTAXで!
国税庁「e-Taxからの情報取得について」
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