(※写真はイメージです/PIXTA)

離れて暮らす子どもや孫が泊まりに来ることを、楽しみにしている親は多いでしょう。普段は夫婦だけの静かな家も、家族が集まればにぎやかになります。しかし、宿泊を伴う帰省では、食事や寝具の準備、帰宅後の片づけなど、迎える側の負担も増えます。孫には会いたいと思いながら、帰省のたびに疲れを感じ、複雑な気持ちを抱く人もいるようです。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

65歳母が初めて口にしたお願い

その夜、由美子さんは夫に気持ちを打ち明けました。

 

「孫たちに来てほしくないわけじゃないの。でも、泊まりの準備も食事も、もう一人では大変なのよ」

 

夫は驚いた様子でした。

 

「そんなに負担だったのか。言ってくれれば手伝ったのに」

 

「手伝ってほしいことを考えて、お願いするのも私なのよ」

 

由美子さんがそう答えると、夫は黙ってしまったそうです。

 

総務省統計局『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月平均の社会保障給付が22万8,614円、消費支出が26万3,979円となっています。可処分所得と消費支出の差は、月4万2,434円の不足です。

 

由美子さん夫婦も年金収入が月23万円ほどで、帰省時の出費が重なる月は、普段以上に貯蓄を取り崩していました。

 

数日後、由美子さんは娘に電話をかけました。

 

「来月なんだけど、泊まりじゃなくて日帰りにしてもらえないかな」

 

娘は「何か予定があるの?」と尋ねました。

 

由美子さんは、食事の準備や片づけが以前より負担になっていること、帰省後に疲れが残ることを初めて話しました。

 

すると娘は、少し申し訳なさそうに言いました。

 

「今まで全部、お母さんがやってくれていたから、そんなに大変だと思ってなかった」

 

娘も、実家では母親に甘えていたと振り返りました。

 

話し合った結果、次の連休は日帰りで訪ね、昼食は娘一家が買ってくることに。今後泊まる場合も、食事は外食や持ち帰りを利用し、寝具の準備と片づけは家族で分担すると決めました。

 

夫も、布団の出し入れや食後の片づけを担当することになりました。

 

「娘に言ったら嫌な顔をされると思っていました。でも、ちゃんと話せてよかったです」

 

次の訪問日、娘一家は昼前に到着しました。皆で昼食を食べ、午後は近くの公園へ。夕方には帰っていきました。

 

「帰った後も元気が残っていて、久しぶりに夫とゆっくり夕飯を食べられました」

 

由美子さんは、これからも孫たちに会う時間を大切にしたいと考えています。ただ、以前のように一人で準備を抱え込むつもりはありません。

 

家族を迎える際の負担は、宿泊日数や人数、家事の分担によって変わります。親世代が無理を重ねる前に、食事や寝具の準備、費用負担について具体的に話し合うことが、気持ちよく交流を続けるために大切でしょう。

 

【関連記事】

■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録