72歳祖母が考え直したこと
以前は誕生日の後に「ありがとう」と電話が来たり、プレゼントについてメッセージが届いたりしていました。それがなくなると、孫と直接やり取りする機会も減りました。
「もしかして、お金をあげなくなったからかなって、一度は考えましたよ」
特に気になったのは、大学生になった一番上の孫でした。高校生のころまでは、ときどきメッセージを送ってきたのに、大学進学後はほとんど連絡がありません。
洋子さんは長男に「みんな元気?」と聞きました。
すると、「元気だよ。上の子は大学とバイトでほとんど家にいないし、下の2人も部活や塾で忙しい」と返ってきました。
そこで洋子さんは、連絡が減った時期が、お祝いをやめた時期だけでなく、孫たちの生活が大きく変わった時期とも重なっていたことに気づきます。
「私の中では『お金をやめたら連絡が減った』とつながっていたんです。でも、考えてみれば孫も大きくなっていますからね。小学生のころと同じように連絡してくるわけじゃないですよね」
もちろん、プレゼントを渡せば、それをきっかけに連絡が生まれることはあります。だからといって、連絡の頻度だけで孫の気持ちを判断することもできません。
内閣府『令和7年版高齢社会白書』によると、65歳以上の一人暮らしは増加しており、2020年には65歳以上人口に占める割合が男性15.0%、女性22.1%でした。2050年には男性26.1%、女性29.3%になると推計されています。
洋子さんは現在、誕生日ごとに現金を渡すことはしていません。代わりに、自分から孫へメッセージを送るようになりました。
大学生の孫には「最近どう?」、部活をしている孫には「試合どうだった?」。返信がすぐに来ないこともありますが、それも以前ほど気にしなくなったそうです。
長男一家が遊びに来たときには食事へ行くこともあります。ただし、以前のように必ず洋子さんが全員分を払うわけではありません。
「お金を渡していたころは、それが私なりのかわいがり方だったんでしょうね。でも、それをずっと続けないと祖母でいられないわけじゃない。今はそう思っています」
孫へのお祝いに、すべての家庭に当てはまる適正額があるわけではありません。収入や資産、孫の人数によって、無理なく出せる金額も変わります。
これまで続けてきたからといって、同じ金額を払い続ける必要があるわけでもありません。年金生活では、自分自身の生活費や将来必要になる支出も考えながら、お祝いの金額や回数を見直すことも選択肢になります。お金を渡す機会を減らした後に、どのように家族と関わっていきたいのかまで考えてみることも大切でしょう。
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