「今年から、お祝いはなしにするね」初めて息子に伝えたこと
「孫が小さいころは、何か買ってあげるのが楽しかったんですよ」
そう話すのは、72歳の洋子さん(仮名)です。
夫を6年前に亡くし、現在は一人暮らし。年金収入は月約15万円です。住宅ローンはありません。
45歳の長男には、大学生、高校生、中学生の3人の子どもがいます。孫が生まれてから、洋子さんは誕生日に1万円、お年玉にも1万円ほどを渡してきました。
入学時にはさらに数万円。家族で食事へ行けば洋子さんが会計を持つことも多く、孫が欲しがった洋服や靴を買うこともありました。
「一度に10万円、20万円を渡していたわけじゃないんです。だから、自分ではそんなに使っているつもりがなかったんですよね」
考えが変わったのは、家計簿を整理したときでした。
孫3人への誕生日とお年玉だけでも年間6万円。そこに進学祝い、外食、プレゼントなどを加えていくと、孫や長男一家のために使った金額が年間20万円近くになった年もありました。
月に直せば1万数千円です。年金月15万円で暮らす洋子さんにとって、無視できない金額でした。
総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果』によると、65歳以上の単身無職世帯では、月平均の実収入は13万1,456円、可処分所得は11万8,465円。一方、消費支出は14万8,445円となっています。平均して、資産の取り崩しなどが必要になります。
洋子さんにも預貯金はあります。ただ、家電の買い替えや自宅の修繕が続いたことをきっかけに、今後のお金を改めて考えるようになりました。
「孫に使うお金を惜しいと思ったわけじゃないんです。でも、自分はこれから何年暮らすか分からないでしょう。ずっと同じようにはできないなと思って」
その年の暮れ、洋子さんは長男に伝えました。
「来年から、お年玉とか誕生日のお祝いはやめようと思うの。入学とか、本当に大きな節目のときだけにするね」
長男は「分かった。無理しなくていいよ」と答えました。孫たちから不満を言われることもありませんでした。
洋子さんはほっとしました。
ところが、その後しばらくして、別のことが気になり始めます。以前より、孫から連絡が来なくなったように感じたのです。
