2LDKへ住み替えて半年…73歳夫婦が予想していなかった変化
最終的に夫婦は戸建てを売却しました。
売却代金と預貯金の一部を充て、築10年ほどの中古タワーマンションを購入。広さは以前の半分ほどの2LDKです。
引っ越して最初に感じたのは、生活のコンパクトさでした。
寝室も浴室も同じフロアにあり、階段はありません。ゴミも決められた場所まで持っていけばよく、庭の雑草や落ち葉を気にする必要もなくなりました。
洋子さんが意外に感じたのは、雨の日だったといいます。
「前は強い雨が降ると、雨どいは大丈夫かなとか、庭に水がたまっていないかなとか、なんとなく外を見ていたんです。ここに来てから、それをしなくなりました」
和夫さんにも似た変化がありました。
外出先で暗くなっても、「家の雨戸を閉めなければ」と急ぐ必要がありません。旅行へ出る際も、庭や家の周囲を以前ほど気にしなくなったそうです。
「駅に近いとか、買い物が楽だとか、そういう便利さを期待していたんです。でも実際には、家について考える時間が減ったことのほうが大きかったですね」
一方、マンションだから住居費がかからなくなったわけではありません。
毎月の管理費と修繕積立金に加え、固定資産税もあります。将来、修繕積立金が上がる可能性も考える必要があります。
国土交通省『令和5年度マンション総合調査』によると、長期修繕計画上の必要額に対し、現在の修繕積立金が不足しているマンションは36.6%。マンションへの住み替えでは購入価格だけでなく、管理費や修繕積立金、長期修繕計画などを確認することも重要です。
和夫さん夫婦も購入前に、管理費や修繕積立金を含めた毎月の固定費を確認しました。
夫婦は現在、車も手放すか検討しています。駅や店が近いため、以前ほど乗らなくなったからです。
「戸建てが嫌になったわけではないんです。子どもを育てた家ですし、庭も好きでした。でも、今の自分たちに合う家は変わったんだと思います」
国土交通省『令和5年度マンション総合調査』では、マンション居住者の世帯主のうち70歳以上が25.9%を占めています。マンションで暮らす高齢者そのものは珍しい存在ではありません。
長く住んだ家を手放すかどうかは、簡単に決められることではありません。また、戸建てからマンションへ移れば、すべての負担がなくなるわけでもなく、新たに管理費や修繕積立金などが発生します。
だからこそ、住み替えを考える際には、数年後も同じように暮らせるか、住居費を継続して負担できるかまで確認することが大切です。広さや資産価値だけではなく、これからの日常で何を自分たちで管理し続けるのかという視点も、住まいを選び直す基準の一つになるでしょう。
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