長生きのリスクへの備え→「公的年金」と「労働」
長生きに備えるのは、容易なことではありませんが、公的年金を大事にすることと働いて稼ぐことは重要でしょう。
公的年金は、どれだけ長生きしても最後まで支払ってもらえますし、インフレになれば原則としてその分だけ支給額が増えるので、長生きとインフレに対する備えとしては最強です。
サラリーマンは公的年金の保険料が給料天引きになっているので払い漏れの心配はありませんが、自営業者等は年金保険料を払わないと老後に年金が受け取れない可能性もありますから、しっかり払うことが必要です。
保険料を払う余裕がない場合には、送られてきた請求書を無視するのではなく、「払えなくて申し訳ありません」という紙を提出しましょう。それだけで結構なメリットがあるかもしれませんから。
サラリーマンであっても、定年後も働いて年金保険料を払い続けるとか、年金の受け取り開始時期を遅らせるとか、公的年金を増やすための工夫をする余地はあるでしょう。
働くことは、収入を増やして老後の蓄えを充実させるのみならず、社会との接点を持つ等々のメリットがありますが、保険という意味合いもあります。専業主婦(夫)が働いて収入を得ることで、配偶者の失業や死亡、離婚等々のリスクに対する備えが得られることに加え、厚生年金に加入するような働き方をすれば、老後の年金が充実することにもなるからです。
インフレリスクへの備え→「リスク軽減のための資産運用」
インフレへの備えとしては、インフレに強い資産を持っておくということが重要でしょう。高齢者のなかには老後資金を全額銀行預金で持っているという人も多いようですが、預金はインフレで目減りするリスク資産だという認識が必要です。
株式や外貨は値下がりするリスクがありますが、インフレに強い資産なので、預金と組み合わせて持っておくと安心です。「インフレで預金が目減りし、同時に株も外貨も値下がりする」という可能性は大きくないからです。
インフレが来ると企業の売り上げもコストも増加するので、差額である利益も増加し、株価を押し上げることになるでしょう。インフレが来ると、輸入品が割安だと感じる人が増え、輸入代金のドルを買う人が増えるので、ドルが値上がりするでしょう。そうした値上がりが預金の目減りを補ってくれると期待されるのです。
投資というと「投資で儲けて豊かな老後を過ごそう」と考える人が多いでしょうが、儲けようとガツガツすると大損するリスクがあるので、「預金だけだとインフレが怖いので、リスクを避けるために色々な資産に老後資金を分散しておく守りの投資」という姿勢が重要でしょう。
老後は借家ではなく持ち家に住む、というのも長生きとインフレに対する備えとして重要です。老後に借家住まいをしていると、長生きしている間にインフレが来たら、ただでさえ老後資金が枯渇しかねないのに、値上がりした家賃を延々と払い続けなければならないからです。
本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。
筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。
塚崎 公義
経済評論家
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

