孫の成長をきっかけに見直した週末の過ごし方
その夜、健太さんから電話がありました。
「今日、娘が変なこと言ってごめんな」
そう謝る息子に、正雄さんは「別に変ではないよ」と答えました。健太さんによれば、孫娘は最近、週末に友達と出かけることが増えていました。
「父さんが嫌とかじゃないんだよ。最近は土日も予定があるからさ。来る前に連絡してくれれば、みんないる日を言うよ」
その言葉を聞き、正雄さんはこれまでの週末を振り返りました。
最初は息子から「遊びに来れば」と誘われて始まった習慣です。しかし最近は、正雄さんのほうから「今週も行っていいか」と聞くことが増えていました。
「孫が変わったというより、大きくなったんですよね。私だけが、あの子たちが小さかったころと同じつもりだったんだと思います」
それから正雄さんは、毎週のように息子宅へ行くことをやめました。
だからといって、孫に会わなくなったわけではありません。月に1回程度、家族の予定が合う日に食事へ出かけたり、孫の試合を見に行ったりしています。
空いた週末には、以前好きだった釣りを再開しました。近所の知人に誘われ、月に何度か一緒に出かけています。
「最初の土曜日は、朝起きて『今日どうしよう』と思いましたよ。でも考えてみれば、毎週孫の家に行かなきゃいけないわけじゃない。孫には孫の予定があるし、私にも私の予定があっていいんですよね」
内閣府の同調査では、60歳以上のうち親しくしている友人・仲間が「たくさんいる」「普通にいる」「少しいる」と答えた人は合計82.8%。一方、「ほとんどいない」は12.6%、「全くいない」は3.5%でした。また、外出の目的として「趣味・余暇・社会活動」を挙げた人は34.3%に上ります。
孫が成長すれば、祖父母との時間の持ち方が変わることもあります。それは必ずしも関係が悪くなったことを意味するものではありません。
家族との時間が生活の大きな部分を占めていた場合、その頻度が減ったときに空いた時間をどう過ごすかという問題も出てきます。家族との付き合いを続けながら、自分自身の予定や人間関係も持っておくことは、生活の変化に対応する一つの方法といえるでしょう。
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