「娘とは何でも話せる仲」母が気づかずにいた小さなすれ違い
71歳の洋子さん(仮名)は、夫と2人で暮らしています。夫婦の年金収入は月約18万円。住宅ローンは完済しており、日々の暮らしに大きな不安はありません。
一人娘の麻衣さん(43歳・仮名)は、夫と中学生の息子との3人暮らし。洋子さんの自宅から電車で40分ほどの場所に住んでいます。
洋子さんにとって、麻衣さんは昔から何でも話してくれる娘でした。
「学生の頃から友達のことも恋愛のことも、よく相談してくれました。結婚してからも連絡をくれるので、親子というより友達みたいな関係だと思っていたんです」
今でも週に数回はLINEを交わし、ときには1時間近く電話することもあります。洋子さんは娘の仕事や家庭のことを気にかけ、相談されれば自分の経験を踏まえて助言してきました。
たとえば、麻衣さんが職場の人間関係について愚痴をこぼしたときには、「どこに行っても合わない人はいるんだから、少しは我慢しないと」と励ましたそうです。
また、孫が学校に行きたがらない時期には、「もっと早く寝かせたほうがいいんじゃない?」「親が心配しすぎると子どもにも伝わるよ」と伝えたこともありました。
「娘が困っているなら、何か役に立つことを言ってあげたかったんです。私なりに一生懸命考えていました」
そんな洋子さんが娘の様子に違和感を覚えたのは、数ヵ月前のことでした。以前は頻繁に届いていたLINEが減り、電話をかけても「今ちょっと忙しいから」と短時間で切り上げられることが増えたのです。
それでも仕事や子育てで忙しいのだろうと考え、あまり気にしていませんでした。
ある日、麻衣さんから「最近、仕事と家のことが重なって疲れてる」とメッセージが届きました。
洋子さんは心配になり、「家事をもっと旦那さんに頼んだら? あなたも何でも自分で抱え込むから疲れるのよ」と返信。
ところが、娘から返事はありませんでした。翌日になっても既読のままだったため、「昨日の話、大丈夫?」「何かあったら相談してね」と続けて送ったそうです。
その夜、麻衣さんから長文のLINEが届きました。
