(※写真はイメージです/PIXTA)

孫の世話は、祖父母にとって楽しみの一つになる一方、回数が増えれば自分たちの予定との調整が必要になることもあります。最初は「できるときだけ」のつもりでも、それがいつしか家族の習慣になることも。夫婦自身の生活とのバランスをどう取るかは、家庭ごとに異なります。

夫婦が変えた“予定を決める順番”

その夜、正志さんは由美子さんに言いました。

 

「これからは、自分たちの予定を先に入れない?」

 

孫を預かるのをやめようという話ではありません。

 

旅行へ行く日や友人と会う日は先に予定を入れ、その日に頼まれたら断る。逆に何もなければ、これまで通り引き受ける。それだけでした。

 

由美子さんは少し迷ったものの、娘にもそのまま伝えることにしました。

 

「これから私たちも出かける予定を入れるから、いつでも大丈夫とは言えないかもしれない」

 

娘の返事は意外にあっさりしたものでした。

 

「もちろんいいよ。無理な日は言って」

 

由美子さんは拍子抜けしたといいます。

 

「娘から『いつでも空けておいて』と言われたことなんて、一度もなかったんです。私が勝手に、頼まれたら応えなきゃと思っていた部分もあったんでしょうね」

 

内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』によると、子や孫の生活費を「ほとんど負担している」「一部を負担している」を合わせた割合は25.2%です。金銭面でも、一定数の高齢者が子や孫の生活を支えています。

 

翌月、夫婦は以前見送った1泊旅行を予約しました。さらに由美子さんは友人とのランチ、正志さんは趣味の集まりの日程を先にカレンダーへ書き込みます。

 

その後も孫は預かっています。

 

ただし、「孫の予定が入るかもしれないから空けておく」のではなく、「自分たちの予定がなければ引き受ける」に変わりました。

 

「この前も娘から頼まれたんですけど、その日は旅行だったので『ごめん、その日は無理』って初めて言いました。そしたら『分かった』で終わり。あんなに気にしていたのは何だったんだろうって」

 

正志さんも、「孫と過ごす日は今でも楽しい。でも、それだけで1ヵ月の予定を組まなくてもいいんだよな」と話します。

 

子や孫を支えることに、決まった頻度や形があるわけではありません。家庭の事情だけでなく、祖父母側の体力や生活、やりたいことも変化していきます。

 

頼まれたらできる限り応えるのか、曜日を決めるのか、自分の予定がない日に引き受けるのか。孫との時間を大切にしながら、自分たちの予定も同じようにカレンダーへ書き込む。どちらかを犠牲にするのではなく、双方が無理なく続けられる形を話し合うことが大切でしょう。

 

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