孤独や時間を間違った形で埋めないために
その後、高橋さんは近所のドラッグストアで週3日アルバイトを始めました。品出しなどを中心に、月5万円ほどの収入です。
「暇だから変なことしちゃうんだと思ってね。誰かと話して、誰かの役に立つ。それだけで一日が違って見えるんです。お金も稼げて一石二鳥ですよ」
アルバイトを始めてから、妻との関係も少し変わったといいます。
「ずっと家にいると、妻にも自分にも余裕がなくなるんです。外に出る場所ができただけで、家での空気も少しよくなりました」
日本最大の産業別労働組合であるUAゼンセンの「悪質クレーム対策(迷惑行為)アンケート調査(2020年)」によると、迷惑行為をしていた顧客の性別は男性74.8%、女性23.4%でした。
推定年齢を見ると、40歳代が18.9%、50歳代が30.8%、60歳代が28.0%、70歳代以上が11.5%。10~30歳代までは10.8%です。これらの調査からは、悪質クレーム(迷惑行為)を行う割合は男性が多めであり、また、年齢層が比較的高いことが見て取れます。
「今思えば、相手を言い負かすことで、自分の存在を確かめていたんでしょうね。世間の役に立つと思おうとしていました。息子との会話でそれを自覚して……すごく恥ずかしくなった。でも、もうあんなメールや電話はしていません」
老後資金を準備しておくことはもちろん大切です。一方で、仕事を辞めたあとに「どう過ごすのか」まで考えている人は、案外少ないものです。
仕事を辞めた後の長い時間をどう過ごし、社会とどうつながるのか。孤独や時間を間違った形で埋めないように、早くから考えておきたいものです。
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