(※写真はイメージです/PIXTA)

離れて暮らす子どもや孫の帰省を楽しみにしている人は少なくありません。一方、迎える側には食事や寝具の準備、滞在中の家事などが発生します。年齢を重ねれば、以前は苦にならなかった数日間のもてなしを負担に感じることもあります。それでも「せっかく帰ってくるのだから」と、なかなか言い出せない家庭もあるようです。

「2泊くらいにできない?」母の言葉に息子が驚いた理由

「俺も去年は結構疲れたよ」

 

修さんも同じように感じていました。ただ、2人ともこれまで息子には何も言っていませんでした。

 

「向こうは新幹線代を払って来るわけだし、孫にも会いたい。だから帰省してくれるのに文句を言うのは違うと思っていたんです」

 

恵美子さんが特に気にしていたのは、お金ではありませんでした。

 

外食を増やしたとしても、夫婦の家計ですぐに困るわけではありません。問題は、息子一家が滞在している間、自分たちがずっと「迎える側」になることでした。

 

食事の管理には料理だけでなく、食器洗いなども含まれます。人数が増える滞在では、こうした日々の作業も増えていきます。

 

翌日、恵美子さんは亮太さんに電話しました。

 

「今年なんだけど、5泊じゃなくて2泊くらいにできない?」

 

亮太さんは驚いたようでした。

 

「何か予定あるの?」

 

「予定があるわけじゃないの。お父さんも私も、5泊はちょっと疲れるようになったのよ」

 

しばらく沈黙した後、亮太さんが言いました。

 

「そうだったんだ。ずっと長くいたほうが喜ぶと思ってた」

 

恵美子さんも意外でした。

 

自分たちは「せっかく来るなら長く泊めなければ」と思い、息子は「長く滞在したほうが親孝行になる」と考えていたのです。

 

結局、今年の帰省は2泊3日になりました。

 

亮太さん夫婦が2人で出かける予定も取りやめる必要はなく、子どもたちは数時間だけ祖父母と過ごすことになりました。夕食も1日は外へ食べに行く予定です。

 

子どもや孫の帰省は、家族にとって楽しい時間になり得ます。一方で、数日間一緒に暮らすとなれば、普段とは異なる家事や生活上の負担も生じます。

 

これまで毎年続けてきた帰省の形が、ずっと同じである必要はありません。親の年齢や体力、子どもや孫の成長に合わせ、滞在日数や食事、過ごし方を変えていく。家族だからこそ慣例に任せるのではなく、「今年はどうするか」をその都度話しておくことも大切でしょう。

 

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