「軽井沢サイコー!お前たちも来いよ」年金26万円・67歳両親を追って、42歳息子一家も移住したが…4年後、〈親子二世帯で地方移住〉を襲った寂しすぎる誤算【FPが解説】

「軽井沢サイコー!お前たちも来いよ」年金26万円・67歳両親を追って、42歳息子一家も移住したが…4年後、〈親子二世帯で地方移住〉を襲った寂しすぎる誤算【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

定年後、念願の軽井沢移住を果たした夫婦。孫の小学校入学を機に、息子一家も後を追うように移住してきました。傍目には理想的な親子近居の暮らし。しかし父と息子は、同じ「家族」という言葉に、まったく違う意味を込めていたのです。本記事では、合同会社エミタメの代表を務めるFPの三原由紀氏が、佐藤健一さん(仮名)の事例から、親子近居の裏に潜む注意点と、自立した老後計画の重要性を解説します。

定年後、念願の軽井沢移住を果たした67歳夫婦

「朝起きて窓を開けるだけで気持ちいいんだ。お前たちも来ればいいのに」

 

そう息子に話すのがすっかり習慣になっていたのは、67歳の佐藤健一さん(仮名)です。

 

健一さんは大学卒業後就職したメーカーを、65歳まで勤め上げました。現役時代の年収は、50代後半で700万円ほど。同い年の妻・里恵さん(仮名)は結婚後に仕事を辞め、その後はパートで家計を支えてきました。一人息子はすでに独立し、妻と幼い子どもと3人で暮らしています。

 

夫婦には、現役時代から「定年後は軽井沢で暮らしたい」という夢がありました。退職後は移住の準備を進め、67歳のとき、長年暮らした首都圏の自宅を売却。軽井沢に中古戸建てを購入し、ついに念願の移住を果たしました。住み替え後の預貯金は約3,200万円。夫婦の年金は合わせて月26万円ほどです。

 

長年仕事中心だった健一さんにとって、散歩や庭仕事、夫婦での外食など、時間に追われない毎日が新鮮でした。「移住してよかった。やっぱり軽井沢は最高だ」と満面の笑みです。

 

移住から約1年後。ちょうど孫が小学校へ上がる時期を迎えていました。「自然の多い環境で、のびのび育てたい」という思いもあり、当時42歳だった息子一家も軽井沢へ移住することを決断したのです。

 

息子の決断を誰よりも喜んだのが健一さんでした。息子一家と囲む週末の食卓、家族みんなで過ごす年末年始……健一さんは、孫の成長を日常的に見守り、困ったことがあればお互いに助け合う、そんな家族の未来を思い描いていました。

 

ところが、息子一家にとって「軽井沢へ移住すること」と「親と生活を一体にすること」は、まったく別のものでした。最初のうちこそ毎週のように行き来していたものの、やがて息子夫婦にも地元での新しい人間関係ができ、孫にも学校生活のリズムができていきます。

 

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