「この家でずっと暮らす」と思っていたのに…
67歳のAさんと妻のBさんは、約30年前に新築の一戸建てを購入しました。二人の息子を育て、家族で多くの時間を過ごした思い出の詰まった家です。
住宅ローンはすでに完済。二人は長らく共働きをしてきましたが、どちらも60歳で早期リタイア。当時の金融資産は約1億円ありました。その後は資産運用を続けながら取り崩し。65歳からは夫婦で月30万円ほどの公的年金も受け取り、直近の金融資産は約8,500万円です。夫婦で旅行に出かけるなど、悠々自適の生活を楽しんでいました。
ところが最近、Aさんが体調を崩すことが増え、自宅で過ごす時間が長くなってきました。自宅の部屋に空きはあったものの、まだ子どものものも多く残っており、簡単には動かせません。終日二人で家の中にいる日が続くと、Bさんは息苦しさを感じるようになりました。
気分転換に出かけようにも、自宅は郊外にあり、駅までは距離があります。買い物には車が欠かせません。Aさんの通院はBさんが送り迎えをしていましたが、病院と自宅との距離は往復約50分。さらに昨年からは、屋根や外壁、水回りなど、築30年を迎えた家の修繕も立て続けに発生しました。
「あんなに長い間、住宅ローンを払ってきたのに……」
Bさんはいまの家での生活に、少しずつ負担を感じはじめていました。
そんなある日、Aさんを病院へ送った帰り道、ふと駅前にそびえるタワーマンションがBさんの目に留まりました。調べてみると空き住戸があります。夫婦で見学してみると、駅だけでなく、スーパー、クリニック、金融機関も徒歩圏内。管理人が常駐し、防犯設備や宅配ボックスも整っています。ちょうど低層階に空きがあったことも、二人にとって好都合でした。
Bさんは思いました。ここなら夫が通院しやすいだけでなく、自分も気軽に外へ出られる。家の中だけで一日を終えずに済むかもしれない――。
夫婦はそのほかにも複数の物件を見学したうえで、現在の家を売却し、駅近のタワマンへ住み替えることにしました。
