「タワーマンションは初めてです」年金月30万円・67歳夫婦、30年住んだ思い出の戸建てマイホームを手放し、老後に住み替え。「ここを終の棲家にする」と決めたワケ【FPが解説】

「タワーマンションは初めてです」年金月30万円・67歳夫婦、30年住んだ思い出の戸建てマイホームを手放し、老後に住み替え。「ここを終の棲家にする」と決めたワケ【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「いまの持ち家に一生住みつづける」そう考える人は少なくないでしょう。しかし、年齢を重ねれば、家族構成や健康状態、移動手段も変わり、かつて暮らしやすかった家が負担になることもあります。本記事では、FPオフィスツクル代表の内田英子氏が、Aさん夫婦の事例から、現代の「老後の住まい」をめぐる考え方を紐解いていきます。※事例はプライバシー保護のため、一部脚色しています。

「この家でずっと暮らす」と思っていたのに…

67歳のAさんと妻のBさんは、約30年前に新築の一戸建てを購入しました。二人の息子を育て、家族で多くの時間を過ごした思い出の詰まった家です。

 

住宅ローンはすでに完済。二人は長らく共働きをしてきましたが、どちらも60歳で早期リタイア。当時の金融資産は約1億円ありました。その後は資産運用を続けながら取り崩し。65歳からは夫婦で月30万円ほどの公的年金も受け取り、直近の金融資産は約8,500万円です。夫婦で旅行に出かけるなど、悠々自適の生活を楽しんでいました。

 

ところが最近、Aさんが体調を崩すことが増え、自宅で過ごす時間が長くなってきました。自宅の部屋に空きはあったものの、まだ子どものものも多く残っており、簡単には動かせません。終日二人で家の中にいる日が続くと、Bさんは息苦しさを感じるようになりました。

 

気分転換に出かけようにも、自宅は郊外にあり、駅までは距離があります。買い物には車が欠かせません。Aさんの通院はBさんが送り迎えをしていましたが、病院と自宅との距離は往復約50分。さらに昨年からは、屋根や外壁、水回りなど、築30年を迎えた家の修繕も立て続けに発生しました。

 

「あんなに長い間、住宅ローンを払ってきたのに……」

 

Bさんはいまの家での生活に、少しずつ負担を感じはじめていました。

 

そんなある日、Aさんを病院へ送った帰り道、ふと駅前にそびえるタワーマンションがBさんの目に留まりました。調べてみると空き住戸があります。夫婦で見学してみると、駅だけでなく、スーパー、クリニック、金融機関も徒歩圏内。管理人が常駐し、防犯設備や宅配ボックスも整っています。ちょうど低層階に空きがあったことも、二人にとって好都合でした。

 

Bさんは思いました。ここなら夫が通院しやすいだけでなく、自分も気軽に外へ出られる。家の中だけで一日を終えずに済むかもしれない――。

 

夫婦はそのほかにも複数の物件を見学したうえで、現在の家を売却し、駅近のタワマンへ住み替えることにしました。

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