「お義母さん、私は許していませんから…」成人した孫と50代息子夫婦の帰省中に、事件勃発。年金25万円・76歳女性が完全に忘れ去っていた〈20年前の因縁〉

小川洋平
「お義母さん、私は許していませんから…」成人した孫と50代息子夫婦の帰省中に、事件勃発。年金25万円・76歳女性が完全に忘れ去っていた〈20年前の因縁〉
(※写真はイメージです/PIXTA)

結婚や進学、出産など、ライフステージの変化に直面する子や孫を、「資金的に援助したい」と考えるシニア世代は多いでしょう。多くの若い世代にとって、親からの援助はありがたいものですが、“よかれと思って”の援助資金が、知らぬ間にトラブルを生むことも。本記事では、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が、佐藤和子さん(仮名)の事例から、老後の「お金の使い方」を紐解きます。

孫の婚約報告に、喜ぶ祖母

佐藤和子さん(76歳)は、地方都市の一戸建てで一人暮らしをしています。

 

夫は数年前に他界しましたが、自身の年金や遺族年金などを合わせると、毎月の年金収入は約25万円。長年、中小企業で役員を勤めた夫の遺産を含めると、金融資産はおよそ8,000万円あり、老後の生活に大きな不安を感じることはありませんでした。

 

そんな和子さんが毎年楽しみにしていたのが、県外で暮らす長男の雄太さん(仮名)が、嫁と孫とともに帰省してくるお盆と正月です。普段は質素な生活をする和子さんも、お盆と正月だけは盛大にと、数日前から準備に勤しみます。

 

今年のお盆も、いつものように息子夫婦と孫が帰ってきました。夕方には親戚も集まりはじめ、食卓には和子さんが手配した寿司や刺身、オードブルが並びます。お酒も入り、和やかな雰囲気のなか談笑していると、孫から突然、婚約の報告がなされました。

 

孫は20歳。高卒で地元の建設会社に就職し、職人として現場で活躍できるようになったところで、高校時代からの同級生との結婚を決意したそうです。

 

可愛い孫の吉報に嬉しくなった和子さんは、息子の雄太さんが結婚した当時を重ね合わせ、「雄太のときは……」と思い出話を始めました。

 

「あのときはあなたたちの結婚式の費用出したのよね。今度はあなたたちが出してあげる番ね」

 

和子さんが何気なく語りかけたその瞬間、それまで笑っていた息子の妻・美紀さん(仮名/52歳)の表情がサッと変わりました。

20年前と同じ展開に…

団らんの時間が終わり、美紀さんがキッチンで一人お皿を洗っていたところへ、和子さんがやってきました。そして、こう声をかけます。

 

「ねえ美紀さん、翔太たちの結婚式だけど、私もまた資金を援助してあげようと思うの。美紀さんのご実家もお祝いを出されるでしょうから、金額のことで恥をかかないよう、あらかじめ擦り合わせておきましょうか」

 

美紀さんは洗う手を止め、和子さんのほうへ向き直ります。

 

「……お義母さん、私、あのときのこと、ずっと忘れていませんし、まだ許していませんから」

 

冷たい表情をしている美紀さんに、和子さんは驚いてしまいました。美紀さんがなにに対して怒っているのかも、わかりません。

 

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