全体の1割程度しかいない?相続税に強い税理士の見分け方
もし相続税がかかる場合、税理士にお願いすることもあるでしょう。でも、ここで注意が必要です。というのも、税理士なら誰でもいいというわけではないからです。
相続税にあまり詳しくない税理士に依頼すると、本来払わなくてもいい相続税を払うことになってしまう可能性があるのです。
税理士の仕事の大部分は、法人の決算業務です。企業と顧問契約を結べば毎月安定した収入が得られるからです。相続税の申告は相続が起きた時だけの単発の仕事なので、専門にしている税理士はそれほど多くはないのです。私の感覚では、相続を専門でやっている税理士は全体の1割程度。残りの9割ほどの税理士は、一応相続税の申告はできますが、「専門」ではありません。
医師にたとえるとわかりやすいかもしれません。眼科医に心臓の手術はお願いしないですよね。同じ医師免許を持っていても、専門分野が違えば、結果は大きく変わります。税理士の場合もそれと似たようなことです。得意分野が必ずあるのです。
知らないと数百万円の差…税理士選びで決まる相続税額
では、実際に税理士の選び方でどれほどの差が生まれるのでしょうか。
最近、「相続税還付」という業務が注目されています。これは、ほかの税理士が申告した相続税を見直し、修正申告によって税金を取り戻すサービスです。
たとえば、A税理士が申告した相続税が1億円だったとします。それを相続専門のB税理士が見直すと、実は5000万円で済むことが判明。差額の5000万円が還付され、その30%にあたる1500万円を成功報酬として受け取る――これが相続税還付ビジネスの実態です。
このビジネスが成り立つということは、それだけ「間違った申告」が多いということを意味しています。
税理士によって、相続税額に大きな差が生まれる理由
相続税額に大きな差が生まれる最大の理由は、不動産の評価方法にあります。
現金や預金の評価は誰がやっても同じです。1000万円の預金は1000万円です。しかし、不動産の評価は税理士の知識と経験によって大きく変わります。
たとえば、形の悪い土地、崖地、騒音がある土地などは、さまざまな理由で評価を減額することができます。相続税の申告に詳しい税理士なら、こうした「評価減の要因」を漏れなく見つけ出し、適切に評価額を下げられます。
しかし、相続税の申告の経験が少ない税理士だと、教科書通りの計算しかできません。本来なら、5000万円の評価で済むはずの土地を、8000万円で申告してしまうのです。
私がお手伝いしたケースでは、最初に相談に来た税理士の試算では相続税が3億円でした。ところが、相続専門の税理士に依頼し直したところ、最終的な相続税は1億8000万円でした。なんと1億2000万円もの差が生まれたのです。
この差の大部分は、不動産の評価方法にありました。複数の土地の形状や立地条件を詳しく調査し、適切な評価減を適用した結果です。

