「毎週来られるのは少し…」義娘の一言で変わった関係
それ以来、雅人さんは自分から訪問を申し出るのをやめました。
息子から孫の写真が送られてくれば、「大きくなったな」「今度何が好きか教えて」と返します。ただ、そのまま会う約束につながらないこともあります。
ある月は、一度も孫に会いませんでした。
「写真を見れば、会いたくなります。でも、『いつ会える?』と聞くと、また向こうに気を使わせるんじゃないかと思ってしまって」
特に気になっているのが、息子の妻との関係です。
雅人さん自身、直接「来ないでほしい」と言われたことはありません。それでも息子から聞いた「妻も気にしている」という言葉から、自分の訪問が歓迎されていなかったのではないかと考えるようになりました。
その後、雅人さんは直樹さんとあらためて話す機会を持ちました。
「父さんが嫌だからじゃないよ。子どもも喜んでる。でも土日は、買い物とか習い事とか、家のこともあるんだよ」
雅人さんはそこで、自分が訪ねる側から見ていた週末と、息子夫婦が暮らす側から見ていた週末は違ったのだと気づきました。
「私は2時間くらい顔を見て帰るだけだと思っていました。でも向こうからすれば、来るとなれば家を片付けたり、お茶を出したり、予定を空けたりする。私はそこまで考えていなかったんです」
内閣府が過去に実施した『高齢者の生活と意識に関する国際比較調査』では、日本の60歳以上について、子どもや孫とは「ときどき会って食事や会話をするのがよい」と答えた人が42.9%でした。「いつも一緒に生活できるのがよい」の34.8%を上回っており、子や孫との交流を望みつつも、一定の距離を置いた付き合い方を望む人が多いことが示されています。
雅人さんはその後、月に1回程度、息子側から都合のいい日を知らせてもらうことにしました。学校行事などがある月は会えないこともあります。
「前みたいに思いついたときに会えるわけではないです。それでも、次に会える日が分かっているだけで違いますね」
会いたい側が遠慮しすぎても距離は広がり、頻繁に訪ねれば相手の負担になる場合もあります。どの程度の交流が心地よいのかは家庭によって異なるからこそ、「会いたい」「今週は難しい」と言える関係をつくり、無理のない頻度を探していくことが必要なのでしょう。
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