「帰省は年1回・短時間」の長男…親孝行はどっち?
こうした中で変わってきたのが、長男・健太さん(40歳)への気持ちだといいます。
健太さんは県外で一人暮らしをしており、帰省は年に1回程度。長居することもなく、日帰りか1泊で近況を話して帰っていくだけ。以前は「息子は私たちに愛情がないのかしら」と寂しく感じたこともありました。
「でも、息子は息子で自分の生活をちゃんとやっている。お金を貸してほしいとか、何か買ってほしいと言われたことはまったくありません。それって、親にとってはすごく楽なことなんですよ」
娘と息子。以前は、孫を連れて頻繁に顔を見せてくれる娘のほうを「親孝行」と感じていた香代子さんですが、その気持ちも変化していました。
親子関係を守るためにも「援助の線引き」を
祖父母が孫の成長を喜び、「できることなら何でもしてあげたい」と思うのは、ごく自然な感情でしょう。ただし、年金生活に入ったら、現役世代と同じ感覚で援助を続けることには注意が必要です。
特に問題となるのが、一度始めた援助が当たり前になってしまうこと。「今回は出してあげる」が何度も続けば、子ども側には「それが普通」だと受け止められてしまう可能性があります。
「娘が頼ってくれて、最初は嬉しかったんです。頻繁に孫の顔を見せてくれるのも、ありがたかった。親孝行だなと思っていました。でも、そのお返しに、毎回お金を出さなくてはならないのは、おかしいと気づいたんです。親に頼らず生きている長男のほうが『ありがたい』と思うようになってきたぐらいです」
そこで、香代子さんは夫とともにルールを決めました。これまでのように、お願いされたらなんでも買ってあげる、毎回負担してあげるという姿勢をやめるということ。家計簿で毎月の支出を管理し、決まった予算を超えたら「どんなお願いもお断り」。それを娘にも伝えました。
娘からすれば、これまで頼めば応じてくれた母親が急に財布のひもを締めたように感じたかもしれません。しかし、これから先のことを考えれば、いつまでも「かわいいから」で支出を続けるわけにはいきませんでした。
年金生活に入ったら、子どもや孫への援助についても、“ここまではできるけれど、これ以上は難しい”という線を決めておくことが重要です。老後の暮らしを守るために「NO」と伝えることは、ただの冷たい拒絶ではなく、長く良好な親子・祖父母と孫の関係を続けるために、必要な線引きなのです。
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
【注目のセミナー情報】
【最新・法人決算対策】9月17日(木)オンライン開催
公認会計士が監修!
「短期償却」で手元キャッシュを大きく残す不動産活用
【物販事業】9月26日(土)オンライン開催
月額30万~50万円の利益を狙う!
オマカセ型「物販事業運用スキーム」とは?

