今回は、「ケニア経済」の最新トピックスを紹介します。※本連載は、公認会計士・税理士で、久野康成公認会計士事務所所長、株式会社東京コンサルティングファーム代表取締役会長の久野康成氏が監修した『新興国ビジネス業界地図』(TCG出版)から一部を抜粋し、激変する新興国市場のうち、特に注目したい4カ国の現状と今後の動向予測を見ていきます。

将来の巨大市場として注目を浴びる「東アフリカ共同体」

2013年12月、東アフリカ共同体(EAC。加盟国はケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ)の各加盟国は、10年後を目処に通貨を統合する協定を結んだ。

 

この5カ国を合わせるとGDPの合計は約850億ドル(8兆7,000億円)、人口は約1億3,500万人にも及ぶ巨大市場となり、世界からの注目を浴びることが予想される。

イスラム過激派の脅威にさらされるケニア

2015年4月、ケニア東部ガリッサの大学がイスラム過激派「アル・シャバブ」に襲撃され、学生ら148名が死亡した。その多くはキリスト教徒であった。

 

同グループは東隣のソマリアを拠点とする過激派組織で、ケニアへの攻撃も頻繁に行われていた。2015年9月時点で外務省はガリッサの退避勧告を継続するなど、治安の良くない地域もある。

 

イスラム教徒の中の極端な行動に出る過激派は一握りであり、イスラム教原理主義自体は危険でないことは言うまでもないが、残虐なテロが続くにつれ国際社会からイスラム教全体が偏見の目で見られるようになってきたことは事実である。

 

また、ケニア国内のイスラム教徒の割合は約6%であり、海岸側に多く居住する(その他宗教の内訳は、キリスト教プロテスタント40%、キリスト教カトリック30%、伝統宗教など20%)。

2年ぶりに引き上げられた労働者の最低賃金

人口約314万人(2009年)の首都ナイロビでは、数多くの日本料理店やスーパーマーケットが立ち並び、ネット環境も整っている。国語はスワヒリ語だが公用語は英語で(ケニアは1964年イギリスから独立)、外国人でも暮らしやすい環境であるといえる。

 

2015年5月、ケニアの最低賃金が2年ぶりに引き上げられ、前年比12%増となった。労働組合の要求は20%増であった。ウフル・ケニヤッタ大統領は引き上げの理由に生産性の向上を挙げている。また、同国では最低賃金を農業分野とそれ以外に分けている。

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