今回は、実際にベトナムで不動産投資を行うことについて、著者の見解をお伝えするとともに、ホーチミンで日本企業が多く参加する、人気の高い開発プロジェクトの実例を見ていきます。

「法律が整ってから…」では遅い!?

日本企業の海外進出の相談は、他国と比較すると、圧倒的にベトナムに偏っているようです。ベトナムには、政治的な安定、親日性、勤勉な国民性など相対的な優位性が存在します。そのため、ベトナムを選ぶ日本企業が多いようです。

 

その中で、ベトナム不動産投資に対する見解は多種多様です。「急激な経済発展の途上にあるベトナムの不動産は、今後ますます値上がりする」との楽観的な論調もありますが、「法制度などが未整備の段階なので、しばらく様子見をしたほうがいい」との論調も見受けられます。

 

私なりに考えてみると、日本企業がベトナムへの投資を検討したときのことが参考になるように思います。ベトナムに進出し、成功している企業の特徴として、「ベトナムの市場の特性をよく理解している」「ベトナム人材の育成に優れている」といった点があげられます。ただ、それを凌ぐ要因もあります。それは、「どこよりも早く進出した企業」です。法の未整備などで、最初は苦労が多いようですが、時間とともにベトナム社会に認知されるようになります。

 

不動産も同様です。ベトナムにはまだ法整備が追いつかない部分もありますが、外国人の信用を得られるよう、着実に準備を進めています。法律が整わないことを理由に、もう少し様子を見たほうがいいと考えた場合は、人より判断が遅れることになります。法律が整ったあとは、当然ですが、投資を始める人も増加しますから、高い値段で購入せざるをえないということも考えられます。そのため、素早い判断が求められる市場だといえるでしょう。

高級エリア「フーミーフン」における開発プロジェクト

2015年以降、コンドミニアムの不動産販売が好調です。不動産開発事業者は、あるプロジェクトが完売すると、すぐに新しい開発計画を発表しています。

 

ホーチミン7区で販売が開始されるものに、「Mid Town」との名称がついたプロジェクトがあります。これは日本の住友林業、野村不動産、大和ハウス工業が出資し、ベトナムのフーミーフン社と共同で進めているプロジェクトです。第一期工事の総戸数は1100戸。日本の有名企業が名を連ねているため、ベトナムでも非常に注目されています。

 

日本人学校(隣に台湾学校、その隣に韓国人学校)の目の前という大変な好立地であり、ファミリー層のニーズが高い物件です。また、7区の中でもフーミーフンといわれる超高級エリアに位置しています。周辺には戸建てが多く、1億円以上するような物件も多数あります。立地の良さが評価され、期待度は高いです。

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